研究課題/領域番号 |
08650590
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水工水理学
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
加藤 始 茨城大学, 工学部, 教授 (40152730)
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研究分担者 |
信岡 尚道 茨城大学, 工学部, 助手 (00250986)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 波高の持続性 / NMI波 / Mathiesenのモデル / 超過波 / 未超過波 / 平均持続時間 / 波高の時間変化率 / 2パラメタワイブル分布 |
研究概要 |
Mathiesenのモデルにおいても超過波の平均持続時間τ^^-_gをNMI法と同様に、波高の超過確率Qの式としてτ^^-_g=A[-ln{Q(≧Hs')}]^<-β>と表すが、NMI法では定数Α,βを(Qを2パラメタワイブル分布で表したときの)形状パラメタγの経験式として与えるのに対して、Mathiesenの方法ではΑ,βを波高の時間変化率S(H)にも依存する理論式で与えるのが特徴であり、これによりNMI法を発展させるとされている。本研究では、MathiesenのモデルがNMI法を発展させるものかどうかを、運輸省の波浪観察データのうち本州太平洋岸の常陸那珂・鹿島のもの、及び日本海側の酒田・輪島のものを用いて検討した。 まづMathiesenが指摘したように波高の時間変化率SがS(H)=q(H/H_0)^rと波高Hの関数で表されることを確認した。S(H)の式の定数q,rは地点毎に異なる値をとり、月毎に少し変化するが、Mathiesenにならって月毎の変化は無視した。次ぎに超過波と未超過波の平均持続時間をNMI法、改良式によるNMI法、及びMathiesenの方法の3つで計算して比較したところ、Mathiesenの方法による計算結果は、全体的にみてNMI法の実測値との一致度が悪く、特に波高の小さいところでは実測値から大きくずれることが分かった。その理由は、Mathiesenが利用した水面波形についての理論が、有義波の時系列にはあまり良くあてはまらないためと推定された。 Mathiesenは波高持続時間の累積生起回数の推定式に関しても、変異係数の近似理論式を使うNMI法とは異なる定式化を提案している。Mathiesenの提案式の定数を地点毎の波浪データに合うように改良して適用してみたところ、波高毎の変異係数に大きな変動が出るため、それを1つの式で近似するときの誤差がかなり大きいことが分かった。したがってNMI法の結果と比較すると一長一短であり、月毎の測定値を実測値と比較した結果、NMI法の結果とはまた違った種類の誤差を含むことが分かった。このように本研究では、Mathiesenの方法の適用性と推定値のばらつきの程度及びその原因について明かにした。
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