研究課題/領域番号 |
08650645
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
土木環境システム
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
北田 敏廣 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (40093231)
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研究分担者 |
倉田 学児 豊橋技術科学大学, 工学部, 教務職員 (90283506)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 植生 / 気候緩和 / 大気浄化 / 気象モデル / 乱流モデル / 潜熱フラックス / 土地利用 / 都市キャノピ- / 都市計画 |
研究概要 |
都市空間の拡大が、周辺地域を含めた夏季の熱環境を悪化させている。東京都心部のような高度の集積地帯を除けば人工熱源の増加による直接的な加熱効果よりも、コンクリートやアスファイルト等への変換に基づく地表面熱特性の変化がより重要と考えられる。都市空間の植栽緑化により熱環境の緩和効果および大気浄化効果を導入することが、上記の都市特性を和らげる一つの現実的な方法と考えられる。本研究では、都市空間内に配置された植生が、熱環境および大気質環境に与える影響を予測できる都市キャノピ-モデルを作成し、その妥当性を検討した。 モデルは、例えば、1km四方内で、高さ方向への分布を持った植生や高さの異なる都市建造物群等が様々な割合で混在する場合の熱、運動量、水蒸気、汚染質輸送への影響をパラメタライズすることからなる。植物や建物のLAI(Leaf Area Index)はもちろん、植物の土壌水分の利用可能性、建物の壁体への蓄熱効果、太陽高度の変化、キャノピ-の短波、長波放射に対する応答もモデル化されている。これらのパラメータに対する広範な感度解析を、キャノピ-から上空大気に向かう各種フラックス等について行った。また、高さの異なる植物群の種々の割合での導入が、高温の緩和にどのような仕方でどの程度有効であるか等も検討した。その結果、建築物がある場合には、降水のない状態が続くことにより、日に日に大気への顕熱フラックスが増えて行くが、植生の場合にはこの増加が緩やかであるかあるいは期間が短ければ増加がみられないこと、この原因として、植生が存在することにより地下の深い部分に存在する水分も蒸発散に利用され気候緩和に役立つこと、一方、植生のない場合は、地表近くの浅い部分の水分が蒸発により急激に失われた後、深部の水分を有効に利用するすべがないことが、気温の上昇に利いていること、等が示された。さらに、植生のSO2等の除去効果も評価した。
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