研究概要 |
本研究では都市活動に伴い必要とされ,また排出される水の質と量を明らかにしそれを制御することを目的とした.家庭に対しては,炊事や洗濯,風呂など種々の活動に伴い消費する水の量を,水利用機器の普及と開発状況をも考慮して検討した.一般住宅だけではなく,事務所その他の都市活動に必要とされる水と,排水される水の質及び量を示すとともに,質と量のバランスから,それらの循環再利用の可能性についても検討した. このような都市を構成する個々の要素の他に,雨天時に発生する非点源からの負荷流出について検討した.このような負荷の発生特性を検討するとともに,それを制御する方法として,雨水貯留施設を利用することを考えた.雨水貯留施設を有効に利用することで,浸水を防ぎつつ,降雨初期に集中して発生する汚濁の著しい雨水を貯留することにより,汚濁を制御する手法について検討した. 一方,小規模な地域では,いまだに生活排水の処理施設の整備が十分に行われていない.そこでこのような地域に対して有効な処理施設整備を行うために,集中型と分散型の処理施設のいずれが経済的に優れているかを,地域の人口や面積などにより合理的に検討する方法を示した. 都市に対して安定的に水を供給するために,現在多くの貯水池が建設されている.これらは大規模で複雑なシステムを構成しているが,それを最も有効に操作して,洪水を防ぎかつ渇水をも防ぐための操作方法を導くための計算手法の開発を行った.
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