研究課題/領域番号 |
08650663
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
村上 雅也 千葉大学, 工学部, 助教授 (40009246)
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研究分担者 |
大網 浩一 千葉大学, 工学部, 助手 (60009545)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 捩じれ振動 / 偏心 / 弾力半径比 / 地震応答 / 応答スペクトル / 細長い平面 / 平面の辺長比 / 捩れ振動 |
研究概要 |
単層で一軸偏心をもつ線形系に関して行ってきた基礎的な検討の成果を、細長い長方形平面をもつ建物に適用し、そのねじれ振動の基本性状について検討した。 検討を行うに当たってまず、上記の基礎的な検討の結果、すなわち、極めて単純化した地動を受ける際に生じる最大応答値の算定式、これにもとづいて提案したねじれ効果の簡便な指標など、を整理しとりまとめた。 次に、等分布質量をもつ細長い平面をもつ建物に共通する特性について検討し、つぎの点を明らかにした。短辺方向の振動に対して偏心をもつ場合(「短辺方向偏心時」と略記)には、偏心比・弾力半径比がとりうる範囲はともに極めて広く、また、無偏心時に対する最大応答値の増幅度は、上限で正方形平面の2割増しの、およそ1.6に達する。一方、長辺方向偏心時には、ねじれの影響は偏心をもたない短辺方向の応答に主として現れ、しかも偏心比がつねに極めて小さいにもかかわらず、上限の増幅度は正方形平面の4割増しの、およそ1.2と極めて大きい。 最後に具体例として、一つの偏心要素を付加した均等モデルをとりあげて検討した。その結果、たとえば、偏心比が小さいにもかかわらず大きなねじれを生じる、また、平面上で剛性の高い方が振られ側となるなど、静的ねじれと異なる現象を引き起こす具体的な条件を明らかにした。たとえば前者の現象が見られるのは、減衰が小さいことに加えて、短辺方向偏心時では剛性の小さい偏心要素が重心近くに位置することにより、あるいは長辺方向偏心時では長辺方向の剛性が短辺方向の剛性を若干上まわることにより、それぞれ、並進とねじれのモードが近接する場合である。一方、後者の現象が見られるのは、剛性の大きい偏心要素が重心近くに配置されている場合である。さらに、本研究で提案した指標が、上記の微小偏心時をも含めて、このモデルの動的なねじれ効果を説明可能であることを示し、その有効性を検証した。
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