研究概要 |
本研究では、塗床,張り床における床下地面および床仕上面凹凸の評価方法に関する研究を行った。始めに直径・深さの異なる2種の凹部を設けたアクリル製床下地に、メタクリル樹脂・エポキシ樹脂・ウレタン樹脂をそれぞれ3種の塗厚で施工し、硬化後に塗床表面に生じた凹凸量を測定し、床下地の凹部直径・深さおよび塗厚との関係を示した。次にエポキシ樹脂について官能検査を行い、塗床表面の凹凸量に関する視覚的観点から気になるか・気にならないかの尺度を構成し、この尺度を用いて床下地凹量の限界値を推定できる可能性を示した。さらに、床凹凸試料上をキャスターが走行した際にキャスターに生じる鉛直方向の加速度による床凹凸試料の序列の相関を、キャスターの仕様(重量,車輪の径,走行速度,車輪のかたさ)間で検討し、加速度により床凹凸に相対的序列をつけることが可能であること、加速度の観点から床凹凸を評価する際には床凹凸の断面形状のみでなく、かたさの要因も含めて評価する必要があることを示した。さらに欠陥に起因する床の不具合を調査し、欠陥のないコンクリート床下地の重要性を確認した。次に、コンクリート床下地表層部分の欠陥を発生させる施工における不適正の現状を把握し、さらに不適正に起因する欠陥を実験的に検証した。以上より、適正な計画,管理下における床下地コンクリート施工の重要性を再確認および指摘した。
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