研究課題/領域番号 |
08650695
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築環境・設備
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
田村 明弘 横浜国立大学, 工学部, 教授 (50017977)
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研究分担者 |
鹿島 教昭 横浜市環境科学研究所, 主任
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 視覚障害者 / メンタルマップ / ファセット理論 / 社会調査 / 空間知覚 / バリヤフリーデザイン / 音環境 / 2次元的イメージ / アンケート調査 / 2次元的把握 / 外出行動 / 空間の2次元的把握 / 福祉工学 |
研究概要 |
この研究の目的は視覚障害者と健常者がともに生きていくためのより良い環境を創造することである。視覚障害者のために歩行空間をデザインするとき、まず彼らの空間知覚の特性を理解することが必要であろう。そこで1996年に横浜市ならびに周辺都市に居住する473名の視覚障害者を対象に経路認知における情報利用に関するアンケート調査を行った。日常生活において外出行動を行うとき聴覚情報や触覚情報をどのように利用しているかに関するものであった。質問群はファセット理論に基づき17の情報を示す文と8の利用の仕方を示す文の組み合わせによる74の質問文から構成されている。このほかに、性、年齢、障害程度、視覚形象の記憶、外出頻度、補助器具、歩行訓練そして街を歩くときにどのように目的地の方角を捕らえているかに関する質問がなされた。有効回答者は262名で対象者の55.4%となった。結果は、音響式信号機、車の音、歩行者の声、足音、商店から流れる音、電車の音等に対する利用のし方を用いて、全盲の視覚障害者を分類すると、空間の2次元的把握に情報をよく利用しているグループと移動の目印利用に留まる1次元的空間把握のグループに別れた。空間を2次元的に把握することは1次元的に把握することに比べ、外出時にける自由度が大きく、歩行経験と訓練がその形成のためには重要であることが示唆された。弱視の視覚障害者は残存する視覚情報が空間知覚に利用され、聴覚情報や触覚情報は危険回避のために利用されている。次の課題としては、2次元的なメンタルマップを構成するための訓練プログラム、訓練システムの作成が視覚障害者の外出歩行を支援するために重要であることが提案される。
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