研究課題/領域番号 |
08650765
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
石黒 孝 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (10183162)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | Invar alloy / Film stress / Thin film growth / Atomic magnetic moment / Fe-Ni alloy / Sputtered Mo film / 膜応力 / 原子磁気モーメント / インバー / 磁性薄膜 / Fe-Ni合金膜 / 膜成長 |
研究概要 |
Fe-Ni合金スパッタ薄膜の格子伸縮と原子磁気モーメントの関連について研究を行った。ガラス基板上のFe-Ni膜は純鉄からNi組成増加につれてbccからfccへ変化し途中構造の混在状態では非晶質化が認められた。fcc単相を実現するために熱処理を行うと結晶化が進行し飽和磁化も減少した。そこでAu下地膜の上に成膜しアズデポ膜として30at%Ni以上でfcc構造の膜が実現できることが分かった。 このAu下地膜上のFe_<0.7>Ni_<0.3>膜について膜厚を変化させ成膜し、結晶面間隔を膜法線方向および膜面内方向で測定することにより格子変形を評価し、原子磁気モーメントとの関連を調査した。その結果,格子はfccから変形しており、原子間距離増加に伴い原子磁気モーメントが減少することが明らかとなった。 更に積極的に格子変形を導入するためにMo膜の成膜条件と膜応力、配向性等の評価を行い、成膜時Arガス圧制御により応力状態を変化させることができることを確認した。 以上の結果を踏まえてAu下地膜上に成膜したFe_<0.7>Ni_<0.3>膜に応力膜としてのMo膜を積層させた。この場合は膜面内での変形が著しく結果としてより大きな平均原子間距離の変化が誘起された。そして原子間距離増加に伴い原子磁気モーメントが増加することが分かった。 結果をfccに対する理論計算と比較すると、必ずしもエネルギー極小に対応する原子磁気モーメントは実現されないことが明らかとなった。これは薄膜という異方性に起因する特有の現象であると考えられる。
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