研究課題/領域番号 |
08650776
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
滝沢 博胤 東北大学, 工学部, 助教授 (90226960)
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研究分担者 |
上田 恭太 東北大学, 工学部, 助手 (50271862)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 高圧合成 / 遷移金属化合物 / ゲルマニウム化物 / 電子化合物 / 結晶構造 / 強磁性 |
研究概要 |
超高圧力下で合成された新規遷移金属ゲルマニウム化物、T_<1-x>T'_xGe_4 (T, T' : 3d遷移金属)は、3d遷移金属原子の平均価電子数と寸法因子により、その結晶構造が変化し、新規電子化合物群である可能性が示唆される。本研究では結晶構造決定因子を解明し、遷移金属四ゲルマニウム化物を新規化合物群として体系化することを目的とした。 2元系化合物としては、MnGe_4、FeGe_4、CoGe_4の3相が生成するのみであるが、種々の遷移金属の組合わせからなる擬2元系化合物T_<1-x>T'_xGe_4 (T, T' : 3d遷移金属)を多数合成できることを明らかにした。これらは遷移金属原子の平均価電子数により結晶構造が擬正方晶から擬正方晶と立方晶の二相共存領域、そして立方晶へと変化する傾向にあることが判明した。さらに、擬正方晶構造領域においては、僅かに対称性の異なる3つの結晶構造が存在することを明らかにした。各結晶構造は3d電子の平均価電子数とサイズにより形成範囲が分布しており、遷移金属原子の平均価電子数と寸法因子が本系の結晶構造決定の主要因子であることを知見した。これらの結晶構造間には、遷移金属原子とゲルマニウム原子からなる配位多面体の連結様式の違いがあることが予測され、単結晶を育成し、結晶構造解析により構造移行の様式を解明することが今後の課題である。 磁気的性質の評価からこれらの化合物群では、狭い3dバンド内での電子間相互作用(電子相関)が結晶構造や物性に関わる重要な因子であることが明らかとなった。平均電子数に依存して、遍歴系の強磁性挙動を示すものから、磁気モーメントをもたないものまで、幅広く分布する物質群と位置づけられる。
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