研究課題/領域番号 |
08650912
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
反応・分離工学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
北村 吉朗 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (90032945)
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研究分担者 |
松山 秀人 岡山大学, 環境理工学部, 講師 (50181798)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 固定キャリヤ-膜 / イオノマー膜 / 促進輸送 / 分離膜 |
研究概要 |
魚油中に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)などの高度不飽和脂肪酸を有効に分離するためにはAg^+をキャリヤ-とする促進輸送膜による分離が有効であることを、我々は既に一連の研究により明らかとしている。この場合、Ag^+はナフィオン膜のような市販のイオン交換膜中に静電相互作用により保持される。ここでは、DHAの透過速度を高める目的で、膜の薄膜化をおこなうためち、ナフィオン溶液から直接イオン交換膜の作製を行った。 ナフィオン溶液からのイオン交換膜の作製は、以下の手順により行った。まずナフィオン溶液にDMSO等の可塑剤を添加し、シャーレ上にキャスト後、乾燥を行った。さらに熱処理を行うことで膜中に結晶構造を形成させ、溶液に不溶性のイオン交換膜を作製した。 熱処理温度200℃、処理時間3時間の場合に、約30μmの厚みをもつ有効なイオン交換膜を作製することができた。この膜によりDHA/OLA(オレイン酸)の透過・分離挙動を検討した結果、市販のナフィオン膜を用いた場合に比べ、透過速度は約20倍増加し、また分離性についても3倍程度増加した。 膜性能は熱処理時間にほとんど影響されなかったが、処理温度には大きく依存し、低い温度で製膜した膜は透過性は高いものの選択性は低く、逆に高い温度での膜は高い選択性を示した。 得られたイオン交換膜の構造を検討するために、小角x線散乱(SAXS)実験を行った。市販のナフィオン膜に比べ、キャスト膜では、ラメラ結晶間の距離が小さく、結晶性が小さいことが示唆された。また、熱処理温度が低い場合にも、結晶性が低下することがわかった。上記の膜性能は、このような膜のモルフォロジーに直接関係しているものと思われる。
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