研究課題/領域番号 |
08650914
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
反応・分離工学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
加藤 敬一 愛媛大学, 工学部, 助教授 (10117088)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 膜結合酵素 / フルクトースデヒドロゲナーゼ / リポソーム / 固定化酵素 / 脂質ベシクル / 人工生体膜 |
研究概要 |
膜結合酵素は生体膜中に存在する酵素であり、その活性発現のためには、"脂質場"が必要であることはよく知られている。従って、このような酵素を固定化酵素として使用するための担体は通常の担体では適当ではなく、脂質場を有する担体であることが必要である。 本研究では、Span80を主成分とする大型のハイブリッド型ベシクル(5〜50μmの粒径)を膜結合酵素(フルクトースデヒドロゲナー、,FDH)の固定化担体として利用することを試みた。その結果以下のような結論を得た。 まず、(1)脂質ベシクルに種々の生理活性物質を固定化する方法を検討した。その結果、FDH、膜タンパク質シトクロームC、およびコンカナバリンA(ConA)などのタンパク質が二次乳化法により、多量に、また脂質膜の奥深く固定化することが出来、この方法の有効性を指摘した。また(2)これらのタンパク質は固定化により、コンフォーメーション変化が生じていることも判明した。さらにFDH以外の数種の膜結合酵素について同様の結果を得た。(3)メンブランフィルターによるベシクルの回収再利用操作により、固定化FDHの繰り返し利用が可能であることを指摘した。また、コレステロールの脂質膜への添加は、ベシクルの安定化を促した。更に、(4)この固定化酵素の活性は、脂質膜中にBSAあるいは、γグロブリンを適当な濃度で共存させることにより、活性を最大に発現させることが出来た。また、BSA共存系では水素結合支配であり、γグロブリン共存系では疎水結合支配でFDH酵素反応が進行することが判明した。(5)固定化FDHのヘリックス含量あるいは、脂質膜の流動性とFDHの活性間には良好な直線関係が得られた。(6)ConA固定化ベシクルは、DDSへの利用にも期待でき、膜結合酵素の固定化ベシクルは、機能性を有するタンパク質固定化ベシクルへと広がる基点でもあることが確認された。
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