研究課題/領域番号 |
08650923
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
触媒・化学プロセス
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
佐野 庸治 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (80251974)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ゼオライト / 分離膜 / ZSM-5 / シリル化 / エタノール / 疎水性 |
研究概要 |
ゼオライトの耐熱性・耐薬品性ならびに最大の特徴の一つである分子ふるい作用び着目してゼオライトを分離膜素材に応用しようとする研究が盛んに行なわれている。著者らはシリカライト膜がアルコール/水系および酢酸/水素の浸透気化分離において高い有機物選択透過性を示すことを見い出し既に報告した。しかし、膜そのものが多結晶体であるため分離は主に結晶粒界を通して起こっていると考えている。そこで、本研究ではシリカライト膜中に存在する結晶粒界の制御ならびに結晶表面の改質の観点からシリカライト膜をシリル化し、膜の分離特性に及ぼす影響について検討した。はじめに、シリカライト粉末を用いてシリル化処理条件の検討を行なった。いずれのシリル化処理の場合においても末端シラノール基に基づく3740cm^<-1>付近のピーク強度は減少し、シリル化剤のメチル基に基づくピークが3000cm^<-1>付近に観測された。このことは本処理条件下でシリル化が進行していること示している。差スペクトルにおける末端シラノール基に基づくピーク強度の減少量の違いから、シリル化剤としては(CH_3)_2SiCl_2およびCH_3SiCl_3の方が(CH_3)_3SiClより有効であると思われる。次に、シリカライト膜の結晶粒界の制御の観点から、CH_3SiCl_3を用いてシリル化剤の多層担持の可能性について検討した。すなはち、シリカライト結晶外表面に担持されたシリル化剤の未反応のSi-Cl結合を加水分解することによりSi-OH基に変えた後、再びシリル化処理を行なった。シリル化処理後のシリカライト粉末のFT-IRスペクトルにおいてシリル化処理回数の増加とともにメチル基に帰属される3000cm^<-1>付近のピーク強度が増大したことから、シリル化剤は層状に担持されたものと思われる。以上のシリカライト粉末のシリル化処理で得られた結果をもとに、次にシリル化剤としてCH_3SiCl_3を用いてシリカライト膜のシリル化処理を行い、そのシリル化処理したシリカライト膜を用いて酢酸/水系の浸透気化分離を行なった。シリル化処理により膜透過流束は著しく減少したものの、透過液の酢酸濃度は増加した。この結果から、シリル化処理はシリカライト膜の分解性能を向上させる有効な方法であることが明らかとなった。
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