研究課題/領域番号 |
08650926
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
触媒・化学プロセス
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
甲斐 敬美 鹿児島大, 工学部, 助教授 (00177312)
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研究分担者 |
高橋 武重 鹿児島大学, 工学部, 教授 (20041543)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | トルエン / スチレン / ビベンジル / カップリング / 酸化鉛 |
研究概要 |
トルエンの酸化カップリング反応はトルエンからのスチレン合成の第1段目として位置づけられ、触媒や反応装置の研究も行われている.本研究では検討した.本年度の課題は酸化鉛を利用してトルエンの酸化カップリングにおけるスチルベンおよびビベンジルなどの二量体の選択率の向上と担体の検討であった. 反応器はステンレス鋼製の固定層管型反応器を用いた.原料のトルエンはマイクロフィーダーにより供給し、気化器において気化させキャリアガスの窒素と混合する.反応器からのガスはトラップで採取した後、ガスクロマトグラフにより分析を行った.主な生成物はスチルベン、ビベンジル、ベンゼンおよび二酸化炭素であった.二酸化炭素はトルエンのメチル基由来のものとトルエンの燃焼によるものの二種に区別して解析を行った. 本研究においてはアルミナ、マグネシア、チタニアなどの担体を利用した.いずれの場合も担体を使用しない場合にくらべてスチルベンの選択率が著しく低下し、ベンゼンおよび二酸化炭素の選択率が高くなった.メタンのカップリングにおいてはγ-アルミナ担体はメタンの完全酸化を促進することが報告されているが、トルエンのカップリングにおいてもアルミナ担体は特に二酸化炭素の生成量が増加した.マグネシアの場合も担体を使わない場合よりもスチルベン選択率は低下した.表面積の極めて小さなα-アルミナを用いた場合にはスチルベンおよびビベンジルの選択率が50%を越えた. アルカリ金属を添加することによって副生成物であるベンゼンの生成が抑えられ、二酸化炭素への完全燃焼も小さくなった.特に硝酸リチウムを使用した場合には効果は劇的であり、燃焼による二酸化炭素の発生は見られなかった. 本年度の成果をまとめると、担体は表面積の小さなアルミナが適当であり、リチウムを添加することにより副生成物の生成をかなり抑えることができることがわかった.
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