研究課題/領域番号 |
08650928
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
触媒・化学プロセス
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
内藤 周弌 神奈川大学, 工学部, 教授 (20011710)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | パラジウム / 透過膜 / 水素 / 一酸化炭素 / 速度論 / 表面水素 / バルク水素 / 含酸素化合物 |
研究概要 |
不均一系の触媒反応においては、2種類以上の反応物が同一の活性点上に競争的に吸着する場合が多く、吸着力の強い反応物が弱い反応物の活性化を阻害することがよく起こる。 本研究では、Pdが水素を透過する性質を利用して、バルクから表面への活性水素の供給を検討した。反応様式としては、COやCO_2と水素を反応系内に共存させるmixed mode反応とCOやCO_2のみを反応系内に導入し、水素はPd膜の裏側からPdバルクを透過して供給するpermeation mode反応を比較検討した。圧力依存性や温度依存性などの反応の速度論的検討から、Pd表面水素とバルク水素は異なった反応性を持ち、バルク水素は特に含酸素化合物の生成に効果のあることが示唆された。この点を更に明確にするため、COとH_2を反応系に導入しD_2をPd膜の裏側から透過させたところ、生成メタンの大部分はCH_4であるのに対しメタノールの50%はCH_3ODであることが確認出来た。 一方、mixed modeにおけるCO-H_2反応の生成物分布がPd/SiO_2と著しく異なりC_2含酸素化合物の選択性の高くなる点を詳細に検討するため、XRDによる触媒構造の検討を行った。その結果、メンブレインやシートの形状をしたPd表面は、最密充填構造の(111)面に比べ疎な構造をもつ(200)や(311)面が異常に発達していることが明らかとなった。これは、結晶面によりCOの吸着力が異なり、それが選択性に影響を及ぼしているものと考えられる。 又、PdとPd-Ag透過膜でのCO-H_2反応を比較することから、バルク水素のうち特に含酸素化合物の生成に効いているのは、β型ハイドライドであることが明らかとなった。更に透過速度が十分大きな高温でのメタン生成反応においては、透過水素は反応に伴う不活性な表面炭素の蓄積を防ぎ、高活性を維持することに効果のあることが明らかとなった。
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