超臨界流体の特異性を利用した新しい誘導体化法の開発

• 研究課題/領域番号: 08650963
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 工業分析化学
• 研究機関: 豊橋技術科学大学
• 研究代表者: 平田 幸夫 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (10126948)
• 研究期間 (年度): 1996 – 1997
• 研究課題ステータス: 完了 (1997年度)
• 配分額: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円); 1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円); 1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
• キーワード: 超臨界流体 / カルボン酸 / メチルエステル化 / ポリマー分解

研究概要

超臨界流体は、密度の関数で表される溶媒特性が温度と圧力により容易に微調整できるという従来の液体溶媒にはない特異な性質を有している。本研究の目的は、このような超臨界流体を反応媒体として使用して、迅速性と高い選択性を備えた新しい誘導体化法を開発することである。
1)超臨界流体を用いる誘導体化システムを開発し、これを用いて各種のカルボン酸のメチルエステル化反応について誘導体化の最適化を行った。溶媒として二酸化炭素とメタノールの混合系を用い、温度、圧力およびメタノール濃度の影響を詳細に検討した。固体酸触媒を使うことにより、迅速で定量的な誘導体化が可能となった。本法を固相抽出法による濃縮と組み合わせることにより、水中のフェノキシ酢酸類の環境規制値レベルでの分析を迅速に行えることが明らかとなった。
2)超臨界メタノール中において、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、全芳香族ポリエステルなどのエステル型ポリマー、およびポリカーボネートなどのプラスチックの分解およびカルボン酸成分のメチルエステル化を検討した。温度、圧力、分解時間などの条件を詳しく検討し、定量滴な反応が起きる条件を明らかにした。本法により、これらポリマーの迅速な組成分析が可能となった。また、微量試料を取り扱うことが可能な分析システムを開発した。