研究課題/領域番号 |
08650989
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機工業化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
花田 禎一 京都大学, 総合人間学部, 教授 (50111935)
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研究分担者 |
田部 勢津久 京都大学, 総合人間学部, 助手 (20222119)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 希土類 / ガラス / 光増幅器 / 光通信 / 4f電子 / 光ファイバ / 光学遷移 |
研究概要 |
光通信で用いられる通信波長である、1.5μm帯,1.3μ帯の光ファイバ増幅器ガラス開発を目指し、光増幅を行い得る元素として、それぞれEr^<3+>とDy^<3+>,Pr^<3+>イオンを選び、その光学特性のホストガラス依存性を検討した。ホスト材料候補として、Er^<3+>含有アルミノケイ酸塩ガラス、Dy^<3+>含有硫化物系ガラス、Pr^<3+>含有テルライトガラス試料を溶融法で作製した。波長300-3000nmの範囲で吸光スペクトルを測定し、4f電子遷移に基づく光吸収バンドの積分強度、ガラスの希土類濃度、屈折率から、5本の光学吸収遷移線の吸収断面積を求め、光学遷移確率を決定する3つの配位子場パラメータΩ_tを得た。Ω_tから発光遷移確率を算出した。また1.5μmと1.3μm蛍光減衰曲線から蛍光寿命を求め、Er^<3+> : ^4I_<13/2>準位とDy^<3+> : ^6F_<11/2>準位の量子効率、非 射緩和速度を算出した。Er^<3+>の吸収および発光遷移断面積は、アルミナ含有量と共に大きく増大した。一方4準位系である波長1.3μmの光学遷移である^6F_<11/2>-^6H_<15/6>遷移の吸収断面積は、硫化物系では非常に大きな値を示した。Ca_2S_3系ガラスで発光が観測され、このガラス中で1.3μm発光の自然放出係数は2.6x10^3s^<-1>で、発光始準位からのブランチ比は93%、寿命測定により求めた量子効率は8%であった。Dy^<3+>イオンは準位の性質から、励起波長の選択幅も広く、光増幅器用ガラスとして、多フォノン損失の抑制と遷移確率、量子効率の向上が期待できることを明らかにした。またPr^<3+>イオンの増感剤元素としてYb^<3+>イオンを選び、それらの光学特性の濃度依存性を検討した。ホスト材料として、テルライト系ガラス試料を溶融法で作製し、1μmと1.3μm蛍光減衰曲線から蛍光寿命を求め、Yb^<3+> : ^2F_<5/2>準位の量子効率、エネルギ移動速度を算出した。Yb^<3+>イオンはPr^<3+>イオンに比べ、励起吸収断面積も広く、光増幅器用ガラスの増感剤として、量子効率の向上が期待でぎることを明らかにした。
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