研究概要 |
本研究は,「高温高圧水腐食」の環境である高温高圧の純水と共存する水蒸気中における構造用セラミックスの「高温高圧水蒸気腐食」に関する研究であり,代表的な非酸化物,酸化物セラミックスの腐食反応,腐食形態を明らかにするとともに,耐食性および材料改質による総合的な材料評価を行い,これらの知見に基づいた材料設計および材料改質のための指針を提示すること目的とした. 石英ガラスおよび炭化ケイ素セラミックスを試料として,チタン製オートクレーブを用い,300℃の飽和水蒸気中における腐食試験を行い,腐食前後での重量変化,試料のXRD,ICP測定とSEM観察およびEDX分析を行った。オートグラフを用いて各腐食条件毎に試料3本の室温での4点曲げ強度をJIS-R1601に準拠して測定した。 本研究での成果を以下に列挙する。 1)水蒸気腐食の方が水熱腐食よりも腐食速度が大きいことが判明した。 2)炭化ケイ素セラミックスの腐食形態は,粒界腐食であることが判明した。 3)腐食後の試料の強度は,石英ガラスでは水の侵入によるガラスの粘性低下により強度が上昇した。一方,炭化ケイ素セラミックスでは,処理時間とともに徐々に低下し,10日間では初期強度の約80%となった.
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