研究課題/領域番号 |
08651041
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉田 孝 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40166955)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | カードラン / カードラン硫酸 / 水不溶性 / グラフト共重合 / 架橋 / 抗エイズウイルス作用 / グラフト重合 / PMMA / ポリスチレン / 固体NMR / 分子量 / 硫酸化 / キスエイズウイルス作用 |
研究概要 |
天然多糖であるカードランを硫酸化することによって得られるカードラン硫酸は高い抗エイズウイルス活性をもち、かつ毒性も低いことを報告している。カードラン硫酸はエイズウイルス表面のgp120との相互作用により吸着し、抗エイズウイルス活性を発現するものと考えられている。そこで、本研究では、カードラン硫酸の持つエイズウイルスとの高い親和性を利用して、エイズウイルスを選択的に吸着しかつ容易にエイズウイルスを捕捉できるような、水に不溶の新規高分子材料を合成することを目的に研究を行った。 カードランとMMAあるいはスチレンとのグラフト共重合を行った。グラフト率の高い共重合体を用いて硫酸化を行うと、反応が進行しにくいため、グラフト率が低くなるように、グラフト率64%〜190%のグラフト共重合体を得ることができた。グラフト共重合体の糖部分に体し2.0〜2.5倍量のピペリジン硫酸を用いて1時間反応させたところ、水に膨潤したゲル状の物質が得られた。これは、硫酸化によってポリマーの親水性が増加しゲル状になったと考えられる。硫黄含有量は最大で3.08%であった。反応の条件を激しくすると硫黄含有量は増加するが、収量が減少する傾向が見られた。硫酸化度が高くなると分子の親水性が増大して水に体する不溶性を保ちきれなくなり、部分的に水に溶解してしまうと考えた。 水不溶性硫酸化グラフト共重合体を合成するために、重合の際にジメタクリル酸エチレングリコールを少量加え、部分的な架橋構造の導入を検討した。得られて共重合体は、通常のグラフト共重合体の溶媒であるDMSOに膨潤はするが溶解はしないことから、架橋構造が導入されているものと考えられる。モノマーの仕込量を変化させることにより、側鎖の導入率の異なる共重合体が効率よく得られた。 硫酸化後の共重合体は、水に溶けにくく、架橋の効果が現れていることがわかった。これらの試料を用いてエイズウイルスの感染価を調べる実験を依頼中である。
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