研究課題/領域番号 |
08651045
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中平 隆幸 千葉大学, 工学部, 教授 (30009740)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ポリメタクリルアミド / ポリグルタミン / アミド基間水素結合 / 発色団配向 / 分子素子 / 光エネルギー伝達 |
研究概要 |
種々の芳香族クロモフォアをイソタクチックポリメタクリル酸の側鎖ヘアミド化反応により導入し、主鎖タクチシティ、側鎖クロモフォアなど一次構造を既成したポリメタクリルアミドを合成し、側鎖アミド基間水素結合、クロモフォア配向を評価した。その結果、(S)-1-(1-ナフチル)エチル基より、(S)-1-フェニルエチル基を導入した場合がよりアミド基間水素結合を形成し、後者における立体障害が二次構造(完全水素結合構造)の維持に最も適していることが示された。また、分子力場計算からは、側鎖にS不斉を導入したこれらイソタクチックポリメタクリルアミドは1つ置きのモノマー残基間で完全水素結合した安定な右巻き5_2ヘリックス構造をとることが示された。また、完全水素結合構造をとると、側鎖基間励起エネルギー伝達効率が向上することが消失実験により示された。これらポリマーを溶媒キャストして得られるフィルムは、XRDから、剛直らせん構造の自己組織化によりラメラ構造が形成されることが示された。 一方、ポリ-L-Lグルタミンにおいても、(S)-1-(1-ナフチル)エチル基など適度な立体障害が存在する場合、クロモフォアが主鎖に沿って配列・配向した構造を与えることが明らかとなった。また、消光実験から、配向したナフチル基を通して効率よく励起エネルギーが伝達されることが示された。また、CDにより側鎖構造(配向)が3種類存在し、アニール温度によって側鎖配向が制御できる可能性が示された。分子力場計算からも数種の安定、準安定側鎖構造が示唆され、そのうちの1つは主鎖-側鎖で水素結合する構造であり、IRから示唆された水素統合側鎖アミド基の存在を支持する結果を得た。そのとき、主鎖構造がα-ヘリックスから乖離することも示唆された。現在、これらふぃるむに異方性を導入することを試みている。 以上、イソタクチックポリメタクリルアミド、ポリ-L-グルタミンが分子素子ならびにその組織体として有用であることが明らかとなった。ピレニル基フェロセニル基等を導入し、励起エネルギー伝達、電荷伝達機能をさらに検討していく所存である。
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