研究課題/領域番号 |
08651062
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
鈴木 健訓 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 教授 (40162961)
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研究分担者 |
沼尻 正晴 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 助手 (20189385)
沖 雄一 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 助手 (40204094)
三浦 太一 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 助手 (80209717)
近藤 健次郎 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 教授 (20004434)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 陽電子消滅 / 熱硬化性樹脂 / シアネート樹脂 / エポキシ樹脂 / 重合反応 / 硬化反応 / 自由体積 / 高分子 / 重合度 / 陽電子の寿命 / エポチシ樹脂硬化過程 |
研究概要 |
陽電子はナノメータプローブと呼ばれ、陽電子消滅法(PositronAnnihilation;PA)は,高分子構造のナノメータの大きさの自由体積を簡単な手法で検知出来る優れた手法である。 高分子の自由体積は、高分子の吸水率、誘電率、弾性率等、熱的、電気的、機械的多くの特性に深く関係している。高分子特性を議論するために自由体積を測定する手法が模索されているが,PAは、小さな化学実験室で測定できる唯一の簡便な手法である。 本研究の主テーマは、熱硬化性樹脂(シアネート樹脂)の硬化過程を、陽電子消滅寿命測定法(Positron Annihilation LifetimeSpectroscopy)の手法を用いて解析し、その自由体積の変化を追跡することである。温度を120°Cや150°Cに上昇すると、粉末は溶解し、液体の状態になる。この状態では、Psはバブルを形成し-OCN基の影響が減少するため、Ps生成は増加する。さらに、-OCNは開環重合してトリアジン環を形成し、-OCN基の持つ電子親和力は減少するため、重合と共にPs生成が促進され、I3の急激な増加、寿命(τ3)の減少として観測される。 本所究では、(1)硬化の過程、をさらに発展させて(2)自由体積と高分子の緩和、(3)低速陽電子ビームによる高分子表層の研究をスタートさせた。硬化の過程で陽電子消滅法が観測しているのは自由体積の変化である。これは、高分子の電気的、機械的、他多くの特性を決めているものであり、自由体積が陽電子消滅法で観測され、それがどのように、諸性質に反映し、また、関連しているか研究することは、高分子材料の解析と陽電子消滅法の理解の観点から重要である。
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