研究課題/領域番号 |
08660017
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
作物学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
藤田 耕之輔 広島大学, 生物生産学部, 教授 (90002170)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | トウモロコシ / 苞葉 / 葉面積拡大 / 細胞壁 / ヘミセルロース / セルロース / 炭素 / 窒素 |
研究概要 |
トウモロコシ・フリント種・系統を供試し、苞葉の葉面積の支配要因について、炭素及び窒素の集積状態より解析した。 フリント種系統(F1, N-19x X-15)を圃場で標準栽培し、絹糸抽出9日前から絹糸抽出期における苞葉の葉面積、細胞質・細胞壁の各画分の糖含有率、及び単葉光合成能(Po)等を経時的に測定し、さらに、絹糸抽出8日目に雌穂葉より同化した^<13>CO_2の同化後6-72時間後の各器官及び苞葉の各画分への分配状態を調査した。また、これとほぼ同時期に、圃場へK^<15>NO_3を水溶液として与え、^<15>Nの細胞質・細胞壁の各画分への取り込み状態を調査し、下記の結果を得た。 (1)苞葉葉面積は絹糸抽出前9日目には、完全展開葉の8%で、4日目へと急速に増大した。(2) Poは絹糸抽出前9日目には苞葉で最高値(絹糸抽出前5日目)の約37-58%で、その後、急上昇した。(3)苞葉における糖濃度は絹糸抽出前9日目には、メタノール画分で最も高く(苞葉全体の約68%)、ヘミセルロース及びセルロース画分で低かった(10%以下)。その後絹糸抽出期へ向かい、メタノール画分で低下し(17%)たが、ヘミセルロース・セルロース画分でそれぞれ23、56%と上昇した。(4)雌穂葉より同化した^<13>の器官分布状態をみると、苞葉の^<13>C分配率は同化6時間後に約6.6%で、72時間後に2.0%へと低下した。苞葉へ分配された^<13>Cは同化6時間後にヘミセルロース、セルロース画分へそれぞれ13、23%が取り込まれ、その後ヘミセルロース画分で低下したのに対し、セルロース画分では上昇(約74%)した。(5)生育時間に関わらず、^<15>Nはヘミセルロースもっとも多く分配した。 以上の結果を総合すると、苞葉の葉面積拡大は細胞壁成分、特にヘミセルロース・セルロースの集積と密接に関連すると結論される。
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