研究課題/領域番号 |
08660029
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
園芸・造園学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
米森 敬三 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10111949)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | カキ / アポプラスト / 糖組成 / pH / 果実肥大 / インベルターゼ / 果実発育 |
研究概要 |
カキ果実の場合、転流されてきたショ糖が酸性インベルターゼにより還元糖へ分解されることが果実発育・糖蓄積のための重要な要因となっている。この酸性インベルターゼは果実中のアポプラストに存在し、その活性はpHによって大きく左右される。そこで酸性インベルターゼの特性を調査し、アポプラストでの糖代謝と果実細胞への糖蓄積機構および果実肥大との関係を明確にするために以下の実験を行った。 1.カキ果実のアポプラスト液を採取する方法を検討した。その結果、果実全体をプレッシャーチャンバー内で加圧することで、果梗よりアポプラスト液を採取することができた。ただ、採取直後の40μl前後には師管液が混入するので、分析には40μl以降の採取液を使用した。 2.ショ糖蓄積型の‘油壺'と還元糖蓄積型の‘盆布'を用い、経時的にアポプラスト液の糖組成を調査した。その結果、アポプラスト液では果実への糖蓄積型に関わらず、いずれの品種でもショ糖はほとんど存在せず、還元糖である果糖とブドウ糖によって占められていた。 3.ヘタ片除去処理により生長第3期の果実肥大を抑制した‘油壺'果実のアポプラスト液の糖組成を調査したところ、対照区の果実では第3期とともに還元糖含量が急激に増加したが、処理果ではショ糖だけでなく、還元糖の増加も顕著に抑えられた。また、ヘタ片除去果実ではアポプラストの酸性インベルターゼ活性が顕著に抑制され、果実肥大に対するアポプラストでの糖代謝の重要性が明らかとなった。 4.アポプラスト液のpHの変化を経時的に測定したところ、その値は6.5前後を示し、アポプラストの酸性インベルターゼ活性の最適pHとは一致していなかった。このことは、アポプラストでの酸性インベルターゼ活性制御に対して、pHは大きな要因ではないとも考えられるが、アポプラストでのpH分布が一様でない可能性も考えられ、今後の検討課題を残した。
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