1.目的 ニンニクは完全不稔植物であるが、研究代表者は二度にわたる中央アジア探索によって、稔性の系統を多数発見した。これらの系統と不稔の系統を用いて、多数のプライマーによるRAPD分析を行い、雄性不稔性および稔性と関連するRAPDマーカーを見出し、今後の遺伝資源収集および育種に役立てようとするものである。 2.今年度得られた結果 (1)1994年に中央アジアで収集したニンニクは、42系統中31系統が稔性であったが、1996年夏の開花期に2度の台風に襲われ、雄性不稔個体は確認できなかった。 (2)稔性と相関するRAPDマーカー(OPJ12_<1300>およびOPJ12_<1300>)が12系統・60ブライマ-を用いた予備実験で見られたので、従来収集の系統も含め、他の60系統で確認したところ、1不稔系統を除き、相関がみられた。 (3)現在、中央アジアでの収集系統および交雑後代を新設のガラス室で栽培中であり、1997年夏には確実に、雄性不稔個体を確認できるであろう。推定されている雄性不稔個体については、既に、上記と同じ方法で、雄性不稔性と連鎖するRAPDマーカーを探索している。
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