研究課題/領域番号 |
08660060
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
岩橋 統 琉球大学, 農学部, 助教授 (90128471)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | メチルユ-ジノール / ミカンコミバエ複合種 / カランボラミバエ / オス除去法 / カランボラミエバエ / Bactrocera carambolae |
研究概要 |
メチルユ-ジノール(ME)を用いたオス除去法で、なぜミカンコミバエが容易に根絶できるのかは、長い間の謎であった。オス除去法では、オスが交尾する前に誘因剤に反応することが前提条件である。ウリミバエとカランボラミバエ(ミカンコミバエの複合種)で調べた結果、ウリミバエでは、誘因剤(CL)暴露条件下でも多数の交尾が起こったが、ミカンコミバエでは、ME暴露条件下で交尾はほとんど起こらなかった。従って、MEと異なり、CLでは前提条件がみたされず、有効な防除が出来ないことが判明した。 次に、MEによる防除効果を増すと考えられる4つの要因を解析した。第1は強い誘引力である。しかし、これはMEの誘引距離ではなく、ハエの飛翔行動と、誘因剤への長時間反応によった。第2は、配偶システムである。本種のオスは夕方レックを形成し、メスを誘引する。しかし、オスの密度が低下すれば、レックが形成されず、メスは交尾できなくなる。第3はメスの反応である。今回の研究でメスが夕方MEに反応することが判明した。この時刻は丁度オスがメスに求愛する時刻である。この時、メスがオスに定位できないために交尾が阻害される。第4は、オスの反応性と交尾成功との相関である。オスはMEを摂食し、フェロモンとともに放出することで交尾成功を高める。一方、網室実験では、交尾は特定のオスが独占した。これらの結果は、MEへの反応性と交尾成功の相関を示唆している。オス除去法では、MEに反応しやすいスーパーオスの死亡率が高いくなり、交尾率の急激な低下をもたらす、と考えられる。 以上の結果より、MEが有効である理由は、オスが交尾前にMEに反応することに加え、上記要因の複合効果によって交尾阻害をもたらし、短期間に根絶が達成させるものと考えられた。
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