研究概要 |
好熱性水素細菌Hydrogenobacter thermophilusTK-6株において機能していると推定されていた還元的TCAサイクルに関して、以下の点を明らかにすることにより、その機能性を証明した。 1.フェレドキシンの精製及び特徴付け 無細胞抽出液をQ-Sepharose,DEAE-5PW,Superdex75のカラムクロマトに順次供することにより、電気泳動的に単一な標品を得た。さらに、蛋白化学的特徴付けを行った。 2.ピルビン酸シンターゼの精製及び特徴付け 無細胞抽出液をDEAE-Sepharose CL-6B,PA-QA,Hydroxyapatite,Superdex-200のカラムクロマトに順次供することにより,電気泳動的に単一な標品を得た。さらに、蛋白化学的特徴付けを行った。 3.α-KGシンターゼ、ピルビン酸シンターゼとフェレドキシンとの反応性 それぞれの酵素の逆反応(CO_2発生方向)において、それぞれの精製酵素は精製フェレドキシンとの反応性を示した。一方、CO_2固定方向においては、直接の反応性を検出することはできなかった。この原因が主としてCoA-化合物の不安定さによるものと考えられた。そこで、少量の無細胞抽出液を共存させそれぞれのCoA-化合物を酵素反応により供給したところ、炭酸固定反応が検出され、反応産物も同定された。
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