研究課題/領域番号 |
08660108
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加藤 博章 京都大学, 化学研究所, 助手 (90204487)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | アスパラギン合成酵素 / X線結晶構造解析 / 部位特異的変異導入 / タンパク質工学 / 酵素反応機構 / アミノアシルtRNA合成酵素 / 酵素反応速度論 |
研究概要 |
本研究の目的は、分子進化的な考察を基に、X線結晶解析と部位特異的アミノ酸置換を併用してアスパラギン合成酵素の活性中心残基を決定することにある。 アスパラギン合成酵素とアスパラギン酸tRNA合成酵素について、X線結晶構造に基づくアミノ酸配列の比較から、アスパラギン合成酵素の活性中心残基であると考えられる4つの残基、Arg100、Gln116、Ser251、そしてArg299を取り上げ、部位特異的変異を行い、反応速度論的な性質を調べて変異導入の効果を評価した。 その結果、R100KのK_m値は野性型と同程度の値を示したが、K_0は1/270に減少した。Q116Aでは基質ATPに対するK_m値は野生型と大きな差は見られなかったが基質L-Aspに対するK_m値は20倍に増大し、k0に関しては野生型の5倍に低下した。S251AのK_mは野性型とほぼ変わらなかったものの、k_0は1/200に減少した。また、R299QとR299Aはそれぞれk_0が1/800、1/600に減少したがK_m値は野生型と比べ著しい変化は見られなかった。 以上の結果から、R100、S251、R299はいずれも基質の認識よりも酵素反応を加速させるために重要な残基であることが判明した。また、Q116Aの結果から、Q116とL-Aspのβ位のカルボキシル基の相互作用がL-Aspの認識に関与すると考えられた。従って、本酵素が、L-Aspのα位とβ位のカルボキシル基を区別するには、アスパラギン酸tRNA合成酵素で保存されていないQ116が重要な役割を持つと考えられた。
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