研究課題/領域番号 |
08660120
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
田口 速男 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (90188136)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 乳酸脱水素酵素 / 触媒中心 / 基質特異性 / 立体化学 / アロステリック酵素 / 活性調節機構 / 酵素の機能改変 / タンパク質の立体構造 / アロステリック |
研究概要 |
L.plantar um D-LDHにおいて、Phe299の置換を導入したところ、本酵素は2-ケト酸基質との親和性、触媒反応速度ともに大きく低下し、反応速度における一次同位体効果も変化したことから、Phe299が本酵素が2-ケト酸基質の触媒部位への結合、ならびに基質結合後の触媒反応の促進に必須な役割を担っていることが示された。さらに、この置換による活性低下では、種々の2-ケト酸基質のなかで特にピルビン酸を基質としたときに顕著に見られ、このPhe299が本酵素の基質特異性を限定する上においても重要な役割を果たしていることも明らかになった。また、Ser102の置換によっては、本酵素の基質結合に顕著な正の協同性が誘導され、本酵素においては、基質結合部位の構造と全体的な立体構造が、相互に大きく連動して変化することが示された。一方、L.caseiアロステリックL-LDHの調節部位に存在するHis205をThrに置換したところ、基質によるホモトロピックな活性化効果が失われ、本酵素は活性発現にFBPを絶対的に要求する酵素に変換された。さらにこの変異型酵素を反応速度論的、化学修飾的に解析したところ、His205は、酵素が不活性(T)状態の構造であるときにはピルビン酸結合に関与せず、活性(R)状態の構造を持つときにのみ特異的にピルビン酸結合に関与することが示され、His205とピルビン酸との間で形成される相互作用が、酵素活性化の引き金となることが示された。一方、本LDHと高いアミノ酸配列相同性を持つL.plantar um LDH非アロステリック型酵素において結晶回析データから立体構造モデルを構築しそのリファインメントを完成させた。また、L.caseiL-LDHにおいては、結晶化条件の最適化により、最大1.25mmの解析に適した結晶が得られ、精密な構造の比較解析への展望が得られた。
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