研究課題/領域番号 |
08660137
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物生産化学・応用有機化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
入江 一浩 京都大学, 農学研究科, 助手 (00168535)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | アザクライゼン転位 / テレオシジン / インドラクタム / 発がんプロモーター / プロテインキナーゼC / コンフォメーション |
研究概要 |
テレオシジン、ホルボールエステルなどに代表される強力な発がんプロモーターは、培養細胞の分化・増殖に特徴的に作用する生理活性物質であること、またそれらの主要なターゲットが細胞内情報伝達の鍵酵素であるプロテインキナーゼC(PKC)であることから、その化学構造と活性に関する研究が活性に行われている。本研究は、テレオシジンの母核化合物インドラクタムVの5位から13位に、アザクライゼン転位反応をキ-ステップとして架橋し、立体配座を活性型に固定した新規インドラクタムV誘導体を合成することにより、PKCアイソザイム選択的なアゴニストならびに選択性の高い細胞の分化・増殖制御物質の開発を目的とするものである。 本研究期間の主たる成果は以下のとおりである。 1.PKCの代表的なアイソザイムについて、それらの発がんプロモーター結合部位を含むアミノ酸残基約50個のペプチドを、固相法により初めて効率的に合成した。そしてこれらを亜鉛イオンによってフォールディングすることにより、ネイティブのPKCと同等の機能を再現することに成功した。これより、簡便でかつ再現性の高い新しいPKC結合試験が確立された。 2.アザクライゼン転位反応をキ-ステップとして、立体配座を固定した新規インドラクタムV誘導体約10種を合成し、各種PKCモデルペプチドに対する結合能を定量的に解析した。その結果、インドラクタムGタイプの配座固定化合物に顕著なPKCγに対するアイソザイム選択性が認められた。このことから、インドラクタムの9員環ラクタムの活性コンフォメーションを架橋により微調整するという方法は、PKCアイソザイム選択的な薬剤を開発するうえで有効な一手段になりうることが明らかになった。
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