研究概要 |
1.カラマツおよびエゾマツ胚由来カルスからの不定胚誘導系の確立 (1)カラマツ未成熟胚由来カルスからの誘導 未成熟胚を2,4-D 7μMおよびBAP 3μM添加したCD培地で12週間培養することによって、白色を呈したフライヤブルなエンブリオジェニックなカルスが誘導できた。このカルスを継代培養することによって得られた赤色カルスは、ABA 1μM、BAP 0.3μMの液体培養で不定胚が誘導され、これより植物体が再生された。2,4-D 7μMおよびBAP 3μM添加したCD培地で誘導した成熟胚由来カルスを、それと同一組成の液体培地で振とう培養することによって初期不定胚構造に類似した組織の形成が確認されたが、著しく低率であった。 (2)エゾマツ成熟胚由来カルスからの誘導 成熟胚を2,4-D 10μM、BAP 5μM添加したCD培地で12週間培養することによって、白色を呈したフライヤブルなエンブリオジェニックなカルスが高い頻度で誘導できた。 2.カラマツ成熟胚由来カルスの懸濁培養による不定胚誘導の試み. メッシュによって300μm-30μmの大きさに調整した解離カルスを、5.0×10^4細胞個/1と1.2×10^5細胞個/1に希釈し、2,4-D 7μMおよびBAP 3μM添加した液体CD培地でコロニーを誘導した。懸濁培養14日目からコロニーの分化性や増殖性が低下したことから、これ以降高濃度のサイトカイニンおよび低濃度のオーキシンの添加培地で継代することによって、5.0×10^4細胞個/1の細胞密度条件で分化性の高いコロニーが高頻度で形成された。
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