研究課題/領域番号 |
08660226
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
岡本 信明 東京水産大学, 水産学部, 教授 (40114912)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | コイ / 好中球 / ナチュラルキラー活性 / モノクローナル抗体 / ヘルペスウイルス / ウイルス性乳頭腫症 / リンパ球 / 栓球 |
研究概要 |
本研究は、コイのヘルペスウイルス感染症(ウイルス性乳頭腫症)を題材として、報告者が開発したコイ好中球特異的モノクローナル抗体を用い、コイにおけるナチュラルキラー細胞である好中球のin vivoでの動態を調べ、好中球のウイルス感染症における生態防御的役割を明らかにすることを目的とした。 本研究には、好中球ばかりでなく、栓球、Bーリンパ球、Tーリンパ球に対するコイ特異的モノクローナル抗体も用いた。腫瘍退行前の腫瘍組織では、細胞内にウイルス抗原が検出されたが、Bーリンパ球、Tーリンパ球、好中球、栓球の組織内浸潤は認められなかった。一方、腫瘍退行期にも細胞内にウイルス抗原は検出されたが、この時期にはBーリンパ球の弱い浸潤と好中球の強い浸潤が腫瘍組織に認められた。しかし、Tーリンパ球、栓球の浸潤は認められなかった。以上の結果は、腫瘍が退行する前には、細胞内でウイルスが増殖していても、この抗原あるいはウイルス感染細胞は白血球に認識されることがなく、腫瘍の退行現象が組織学的に認められる時には、ウイルス抗原あるいはウイルス感染細胞を白血球が認識するようになるかどうかは現時点では不明であるが、白血球、特に好中球とBーリンパ球が腫瘍組織内に浸潤することが明らかになった。しかし、本研究では、「ウイルス感染細胞を攻撃することが知られているナチュラルキラー活性を有する好中球がウイルス感染細胞を攻撃し、腫瘍を退行に導く」とした仮説を証明できるまでには至らなかった。今後の研究として、腫瘍を退行に導くトリガーと白血球の浸潤を促す因子の解明が残された。
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