研究課題/領域番号 |
08660249
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産化学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
天野 秀臣 三重大学, 生物資源学部, 教授 (40024830)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | アマノリ / 赤腐れ病 / Pythium / 抗病性株 / 組織培養 / 細胞壁多糖類 / 海藻 / 中性胞子 / 赤腫れ病 / モノクローナル抗体 / 抗病性品種 / 感染機構 / エクステンシン |
研究概要 |
1. 赤腐れ病抵抗性細胞の分離・培養: 養殖アマノリの赤腐れ病は藻菌類Pythium属の赤腐れ菌の寄生により生じ、ノリ養殖では最も被害の大きい病気である。感染により壊死したノリ葉体の組織中には、赤腐れ菌が侵入しない抵抗性の細胞が常に少数検出される。この細胞の持つ抵抗性因子を調査するために、抵抗性の細胞を分離後、13〜15℃、光強度120μE/m^2/s、12時間明期、12時間暗期、1/5PES海水で培養した。6ヶ月間培養後に得られた葉体の赤腐れ病抵抗性を測定したところ、養殖のスサビノリに比較して約2倍の抵抗性が認められた。 2. 赤腐れ病抵抗性因子の調査: 細胞中の生体防御物質として考えられる細胞壁中の多糖類、糖タンパク質エクステンシン、細胞壁の硬さに関係するポルフィランの含量とポルフィラン中の3,6-アンヒドロ-L-ガラクトース量を分析し、抵抗性因子の解明を試みたところ、対照のスサビノリに比べていずれの成分も明らかに少なく、エクステンシンは存在しなかった。従って、抵抗性株の持つ抵抗性は藻体細胞壁の糖質含量が少ない方が強いことが判明した。 3. 抵抗性の持続性の調査: 抵抗性株を2年間継代培養したところ、正常な葉体の形を保ちながら生育をし、実用品種としての正常な形態を有していた。一方、抵抗性については、アマノリ養殖場で赤腐れ病の最も発生・蔓延する環境条件下でも、スサビノリの3倍程度の抵抗性が維持されていた。 以上、本研究成果はわが国の最も重要な養殖海藻であるアマノリの赤腐れ病について、抵抗性のメカニズムを解明し、抵抗性株の開発をするうえで貴重な手がかりを与えるものである。
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