研究概要 |
1.光波計によるトラクタの位置計測 光波測距測角儀(SOKIA SET4)と反射ターゲット(φ210×1000)およびパソコンとを組合わせて,移動するトラクタの位置を認識するシステムを作成した.平坦地,傾斜地とも,U字の連続コースを走行速度1.5m/sまで入力によって視準でき,サンプリング周期は0.7s以下であった.認識した位置と通過軌跡との差の平均値と標準偏差は,平坦地の場合,0.5m/sで0.08【.+-。】0.13m,1.5m/sで0.47【.+-。】0.35mであった.傾斜地の場合,傾斜計を使って補正しても0.5m/sで0.40【.+-。】0.36mであった.作業精度を考慮すると,金肥・堆肥の散布および刈取り後の反転作業が作業対象となり得る.この方式は計測誤差を累積しないが,誤り情報などを削除すると情報が欠ける.そこで,本方式と数種類の内界センサと組合わせて実験した.その結果、内界センサの情報を欠測時の補正情報として利用すれば安定した位置情報が得られることが分かった. 2.ほ場のマップ作成 トラクタに取付けた補助輪と傾斜計の組合わせでほ場のマップ作成を試みた.基準線を決めて,トラクタを一方向に走らせる直線走行法を蛇行走行法の二つの方法で実験した.前者の方が精度は良かった.蛇行走行法の結果を一般の水準測量と比べると,平坦地の場合x軸方向で-0.08【.+-。】0.06m,y軸方向で-0.15【.+-。】0.12と高精度であっが,傾斜地では極端に精度が劣った.これは加速度型傾斜計を用いたことによると推察された.水準測量は点の測量に対して,本方式はトラクタによる面の測量といえる.地形の起伏の程度によって,どれくらいの等高線が信頼性を持って引けるのかを理論的に明らかにできた. 3.データの伝送システムの作成とトラクタの走行制御 光波の情報を位置情報に加工し,無線通信によって伝送後,これを制御情報として利用できるところまでシステムを作成した.しかし,走行制御までは至らなかった.
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