研究課題/領域番号 |
08660326
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
畜産学・草地学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
齋藤 忠男 (齋藤 忠夫) 東北大学, 農学部, 助教授 (00118358)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | チーズホエー / K-カゼイン / カゼイノグリコペプチド / ネオ糖タンパク質 / 糖鎖導入 / コレラトキシン / 中和活性 / 新測定法 / カゼイノグレコペプチド / 新測定アッセイ / ヒドラジン分解 / 化学構造 / O-グリコシド型糖鎖 |
研究概要 |
初年度には、研究の出発材料であるカゼイノグリコペプチド(CGP)をチーズホエーより調製する方法をまず確立した。この方法で調製したVGPに対して、化学的および生物学的手法によりN-アセチルノイラミン酸(NANA)を結合するシアリルラクトース(酸性3糖)糖鎖を新規に導入する手法を比較検討し、ネオ糖タンパク質(ネオCGP)を作出することに成功した。また、ネオCGPに結合する糖鎖の修飾度およびそれらの正確な糖鎖の化学構造を詳細に検討した。 本年度は、トキシン中和活性の高感度分析法を新たに開発し、この手法を用いて初年度に作出したネオ糖タンパク質(ネオCGP)のコレラトキシン中和活性の測定と、オリジナルのCGPS比較した中和活性の増強度を詳細に検討した。すなわち、これまでのマイクロプレートを用いた同様な測定法の種々の欠点を克服した。まず、ポリスチレンビーズ上にコレラトキシンの特異的に認識結合する糖脂質GM1を結合させ、ここにコレラトキシンを結合させた。ついでGM1上のエピトープ構造であるNANAを結合するピオチン化糖鎖プローブを反応させ、標識ストレプトアビジンを反応させ、ビーズを他のウェルに移してから発色に導いた。これにより高感度で、バックの低い理想的な「コレラトキシン中和活性測定法」が完成した。本法では、GM1と競合するシアル酸を有する中和活性化合物が存在すると、コレラトキシンに結合することで糖鎖プローブ結合量が減少し、呈色度が減少することで中和活性が正確に測定できる。初年度に合成したネオCGPは、いずれもCGPに比較して有意に高いトキシン中和活性が検出された。以上の結果より、将来安全な手法で既存のタンパク質にNANA糖鎖を導入することで、トキシン中和活性を誘導できることと、導入糖鎖の種類を変えることで、多くのトキシンに対して中和活性を示すネオ糖タンパク質が誘導できる可能性を初めて示すことができた。
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