研究課題/領域番号 |
08660370
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
桐澤 力雄 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (70153252)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 組換えウイルス / ウマヘルペスウイルス1型 / DNA / 1番遺伝子 |
研究概要 |
ウマヘルペスウイルス1型(EHV-1)の毒HH1株をウシ腎臓(BK)細胞で長期間連続的に継代して弱毒化したBK343株では1番遺伝子(機能不明),24番遺伝子(テグメントタンパク)および71番遺伝子(膜糖タンパク)に変異のあることをこれまでの研究で明らかにした。さらに、これらの遺伝子のうち71番遺伝子の変異と病原性の関係を組換えウイルスを作出して解析したところ、71番遺伝子を不活化すると病原性の低下を示すことを見い出した。本研究では1番遺伝子の変異と病原性との関連を調べるために3種類の1番遺伝子の組換えウイルスを作出して、その病原性をマウスモデルを用いて解析した。組換えウイルスは相同組換えにより、HH1株の1番遺伝子内にβ-ガラクトシダーゼ(β-gal)遺伝子を挿入したもの(β-1株)とβ-1株の1番・β-gal結合遺伝子をBK343株の1番遺伝子あるいはHH1株の1番遺伝子に置き換えたもの(それぞれ、3F-1株、Res-1株)を作出した。これらのウイルスの構成タンパクをSDS-ポリアクリルアミド電気泳動とHH1株に対するウサギ高度免疫血清を用いてウェスタンブロットで解析したところ、親株HH1との間に大きな差異は認められなかった。培養細胞におけるウイルス増殖性を検討したところ、組換えウイルスとHH1株に大きな差異はみられなかった。これらのウイルスをマウスに経鼻接種し、マウス肺でのウイルス感染価を測定したところ、β-1株、3F-1株とRes-1株の感染価は強毒のHH1株とほぼ等しかった。BK343株の感染価はHH1株の約1/100であった。 以上の成績より、1番遺伝子産物はEHV-1の主要なウイルス構成タンパクではないこと、そして培養細胞ならびにマウス肺における増殖性に直接関与しないことが示唆された。現在、24番遺伝子について同様の検討を進めている。
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