研究課題/領域番号 |
08660378
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
甲斐 知恵子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (10167330)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | イヌジステンパーウイルス / H蛋白 / 中和抗原 / モノクローナル抗体 / 流行 / ワクチン |
研究概要 |
今年度、新たにイヌジステンパーウイルスの野外株2株について、H蛋白遺伝子の塩基配列を決定し、既に解析してある1株を合わせて、ワクチン株および、近年海外で分離された野外株との遺伝的距離を検索した。日本で分離した3株間のhomologyは約99%と高く1つのクラスターを形成し、ついで日本の野外株と海外で分離された野外株とのhomologyが約95%と高い値を示し、1つの大きな野外株のクラスターを形成した。しかし、ワクチン株は野外株とは異なるクラスターを形成した。このことから、現在世界各地で流行している野外株は、各地で特異的変化を起こしつつ、ワクチン株とは異なる共通の変異を起こしたウイルスであると結論づけられた。 また、ワクチン株(YSA-TC株)に対する中和活性を持つ抗Hモノクローナル抗体(mAb)を、新たに3種類同定した。これらの抗体と従来の抗体HmAb1種とを用いて、5種のワクチン株および、近年我々の研究室で分離した5種の野外株との反応性を比較したところ、蛍光抗体法および免疫沈降法によって、ワクチン株とは強く反応するが、近年の野外株とは反応性の低い抗体(d-7)が存在した。さらに、mAb d-7の中和活性は、ワクチン株に対しては認められるものの、野外株に対してはほとんど認められなかった。この結果は、近年の野外株の抗原部位、特に中和に関与する領域に変異が起こっていることを示唆しており、またこの抗体はワクチン株と近年の野外株との判別に有効と考えられる。
|