研究課題/領域番号 |
08670012
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
熱海 佐保子 山梨医科大学, 医学部, 教授 (10110298)
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研究分担者 |
川手 豊子 山梨医科大学, 医学部, 助手 (10252024)
坂本 宏史 山梨医科大学, 医学部, 助手 (10162314)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 脊髄 / 一次求心性線維 / シナプス糸球体 / 痛覚 / エンケファリン / サブスタンスP / GABA / グリシン / 免疫細胞化学 |
研究概要 |
痛みの情報は、一次求心性線維により脊髄後角I、II層で後角ニューロンに伝達され、更に視床へ伝達される。大筋でこれは確定しているがその情報伝達の形態的基盤、即ち回路網の詳細は不明であり、脊髄レベルでの抑制系の作用部位についても不明な点が多々ある。我々は痛覚伝達の調節機構に関しニワトリ後角で研究を進めてきた。H8、9年度の研究で、以下の点が明らかになった。 1.一次求心性線維より上行路の起始細胞への情報伝達回路網について。1)サブスタンスP(SP)含有終末を密に受ける上行路起始細胞は、頸膨大部のみならず、胸髄、腰膨大部にも分布し、脊髄の縦軸方向ほぼ50umに一個の割合で出現した。2)背中に皮切による慢性の痛み刺激を与え、脊髄後角I、II層のSP免疫反応性を経時的に調べると、皮切直後はSPが減少し次に逆に高くなり、次にやや低くなり、再び高くなる、という二相性の変化が起きた。 2.後角における痛みの抑制機構。1)後角II層のシナプス糸球体においてグリシン含有ブトンは一次求心性線維に対しシナプスを形成していること、および一部はGABAと共存していることを二重標識法で明らかにした。2)シナプス糸球体で一次求心性線維とシナプスを形成するエンケファリン(Enk)含有ブトンは樹状突起であることをMAP2とEnkの二重標識法で示した。3)シナプス糸球体の構造を凍結割断法により観察し、中心終末のP面には前シナプス膜P面に特徴的な構造と後シナプス膜に特徴的な膜内粒子の集合部が接して存在する部位があることを示した。これは両方向性シナプスを示唆する膜内粒子の配列の初めての観察像である。 3.一次求心性線維から脳幹への伝導路について。1)Ao^^>およびC線維の後角I,II層における終止を調べるために、脊髄神経節にHRPを注入し、標識の見られた無髄の軸索と細い有髄の軸索およびブトンの数例を光顕で撮影後再包埋し電顕で観察すると、シナプス糸球体の中心終末となり、その中の一例は包埋後標識法によりSPの標識を示した。2)脳定位固定装置を使用する準備実験として、脳幹部の定位置での連続切片を作製し、数種の染色を行ない、核の構成を解析中である。
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