研究課題/領域番号 |
08670015
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
藏本 博史 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (30153373)
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研究分担者 |
桑原 厚和 静岡県立大学, 大学院・生活健康科学研究科, 助教授 (60142890)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ラット / 食道 / 横紋筋線維 / ガラニン含有神経 / ACh / CGRP運動神経 / 神経筋シナプス / 二重神経支配 / 抑制性 |
研究概要 |
申請者は以前の報告で食道横紋筋の運動終板上にガラニン含有神経終末を発見し、食道横紋筋がガラニン含有神経とコリン作動性運動神経によって二重支配を受けていることを示唆した。本研究ではガラニン含有神経終末の食道運動における機能的役割を解明するために、(1)ガラニン含有神経終末の食道横紋筋運動終板における位置関係(2)ガラニン含有神経終末の由来(3)ガラニンの食道横紋筋に対する薬理学的効果に関する点を検討した。その結果、(1)では、電子顕微鏡的検索からガラニン含有神経終末にはコリン作動性運動神経と同様に、運動終板上において直接横紋筋線維とシナプスの形成が認められた。(2)では、頚部迷走神経切除実験より、食道横紋筋のガラニン含有神経終末数の減少は認められなかった。(3)では、食道横紋筋層のみの標本に対し電気刺激をした時、あるいはカルバコールを投与した時に誘発される収縮はガラニン投与によって影響されなかった。以上の結果より、ラット食道横紋筋はガラニン含有神経とコリン作動性運動神経により、直接二重に神経支配を受けていることが判明した。また、迷走神経切除実験の結果より、ガラニン含有神経終末が内在性に由来することが示唆されることから、食道運動に関与する神経系ネットワークはより複雑であることが推察される。今回、ガラニンの薬理学的効果に関する実験では、ガラニンが横紋筋に対して抑制的効果を及ぼすという仮説を証明するには至らなかった。しかし、申請者は最近の免疫組織化学的検索により、これらのガラニン含有神経終末が一酸化窒素合成酵素(NOS)を含有する結果を得たことやNOが平滑筋や骨格筋に抑制的に作用しているという報告から、恐らく、ガラニン/NOS含有神経終末はラット食道横紋筋に対し抑制性に影響を及ぼすことが予想される。今後は薬理学的にガラニンの食道横紋筋に対する無反応性について原因を追及し、さらにNOに対する効果についても検索していくつもりである。
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