研究課題/領域番号 |
08670018
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
洲崎 悦子 広島大学, 医学部, 助手 (10274052)
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研究分担者 |
片岡 勝子 広島大学, 医学部, 教授 (30034002)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ゴルジ装置 / レクチン / 蛍光多重染色 / 共焦点レーザー走査顕微鏡 / 三次元構造 / マウス十二指腸腺細胞 |
研究概要 |
私達は糖鎖マーカーであるレクチンを用いて細胞組織化学的検討を行ってきた。消化管の粘液分泌細胞においてはゴルジ装置で糖鎖付加が活発に行われているので、レクチンを用いてゴルジ装置を特異的に染色することが可能である。さらに十二指腸腺細胞のようによく発達した層板をもつゴルジ装置の場合には、シス側層板、中間層、トランス側層板で付加される糖鎖が異なることに基づいて各層板ごとの染め分けが可能となる。そこで、レクチンの多重染色を行ってコンフォーカルレーザー走査顕微鏡で観察することにより、層板を区別して染色されたゴルジ装置が「細胞という3D空間」の中でいかに広がりをもって存在しているかを明らかにすることを試みた。 今回の研究において明らかになったゴルジ装置3次元構造は、通説とは逆向きで、核上部にドームをかぶせたような形で存在するというものであった。すなわち、ゴルジ装置のシス側層板がドーム状のネットワーク構造を形成して最も外側に存在し、その内側に同じ様なネットワークを形成して中間層が配置し、さらにその内側にトランス側層板が配列していた。また、分泌顆粒はゴルジ装置のなすドーム構造の内側の空間に向かって形成、放出された後、層板のなすネットワークの網目を通過して細胞頂部に移動するという結果も得られた。さらに、この構造が十二指腸腺細胞に限った特殊な構造ではなく、活発に粘液を合成している細胞において普遍的な構造ではないかという結果も得られた。 以上のことから、コンフォーカルレーザー走査顕微鏡を用いて細胞内小器官を観察する事により、電子顕微鏡では得られなかった3次元構造の新しい知見を得ることができた。今後さらに、新たに導入されつつある3次元観察法や3次元解析ソフトを駆使し、細胞内小器官レベルでより詳細な3次元構造を追求したいと考えている。
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