研究課題/領域番号 |
08670031
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
山科 正平 北里大学, 医学部, 教授 (90013987)
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研究分担者 |
門谷 裕一 北里大学, 医学部, 助手 (10185887)
玉木 英明 北里大学, 医学部, 講師 (30155246)
瀬川 彰久 北里大学, 医学部, 講師 (50154638)
酒井 康弘 北里大学, 医学部, 助教授 (00050625)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 消化腺 / 導管系 / 再生 / 発生 / 細胞増殖 / アポトーシス / 免疫組織化学 / EGF / 外分泌腺 / 導管 / 細胞分裂 / アポトシース / PCNA / TUNEL |
研究概要 |
(1)唾液腺の導管系におけるカリクレイン分泌細胞の確定とその機能的意義 免疫組織化学法で、ラット顎下腺、耳下腺の線条部導管細胞の管腔側に存在する小顆粒内にカリクレインが陽性で、この顆粒がアドレナリンαおよびアセチルコリン刺激により外分泌されることを検証した。 (2)導管系構成細胞の分裂能の調査 成体ラット膵臓でBRdU法によりDNA合成能を持つ細胞の頻度を検討し、腺房中心細胞とその近傍の介在部細胞が再生能が高いことを結論した。 (3)発生期耳下腺における細胞の分裂能とアポトーシス 生後発生におけるラット耳下腺で、細胞分裂と細胞死の動態をPCNA法とTunel法により調査し、外分泌腺では常に先端に向けて細胞分裂が進行して全体の構造を形成するが、導管の予備能力は予想されたより小さいこと、その間、アポトーシスによる細胞死はほとんど認められないことを明らかにした。また分裂に伴うゴルジ装置の三次元的形状変化を連続切片電顕法とコンピュータグラフィックスにより示した。 (4)再生膵における細胞増殖の動態 ラット膵臓を胆管葉のみを残して外科的に約90%を部分切除し、以後の再生の動態を経時的に調査し、切除3目目からブロモデオキシウリジン(BrdU)で標識される細胞が残存部の腺房細胞と腺房中心細胞に高度に出現するようになり、それが2週目まで継続し、次いで標識細胞は急速に減少するという結果を得た。再生にあたり腺房部とそれに直接する腺房中心細胞が増殖の中心的機能を持つものと結論された。 (5)腺管構造の分枝形態形成におけるEGFの受容細胞とその作用 胎生期マウス顎下腺の分枝形態形成に対するEGFの作用を調査し、EGFが分枝形態形成が促進するがその阻害剤により形態形成が停止することを確認した。また、特異抗体を用いた免疫組織化学法によりEGF受容体は胎生13日目から導管系上皮細胞の細胞膜に発現し始め、その活性は次第に増強し胎生15,16日目に最も強い反応が導管上皮細胞の基底側細胞膜に限局することが判明した。このようなEGF受容体の分布動態よりEGFが形態形成の調節に重要な関与を営むものと推断した。 (6)顎下腺基底膜の超微細構造 ラット顎下腺をモデルに基底膜の構造を各種の固定法により高解像度電顕法で比較検討した。それにより基底膜は上皮細胞直下に拡がる厚さ40-100nmの均質な細網構造を基本とし、それに直行する方向に100nmの細線維が走行し、この細線維が直下の膠原線維に結合するというジェーマが描かれ、従来の記載にある明帯は固定や染色による人工産物である可能性が示唆された。
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