研究課題/領域番号 |
08670045
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
石川 巧一 (石川 功一) 群馬大学, 生体調節研究所, 助教授 (80143238)
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研究分担者 |
大江 良秀 群馬大学, 生体調節研究所, 教務員 (80125830)
立元 一彦 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60240694)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | leptomeninges / β-trace protein / apolipoprotein E / IGF / cystatin C / hypophysectomy / immunocyto chemistry / Ieptomeninges / ischemia / immunocytochemistry |
研究概要 |
脳髄膜(軟膜と蜘膜)は脳実質を覆っている薄い膜状組織で、血液/髄液関門の一端を担っていることが知られている。しかし、蜘膜下腔に移植した神経が長期間生存し機能し続ける事や髄膜細胞の培養液中に強い神経栄養活性が存在することなどが明かとなり、髄膜の新しい機能が示唆されるに至った。本研究では、この点を明らかにするために、幾つかの実験を遂行し以下のような成績を得ている。 1、髄膜細胞を培養し、産生・分泌される蛋白質を分離精製し、化学的な同定を試みた。その結果、髄膜細胞がβ-trace protein(prostaglandin-D-synthase)、apolipoprotein E、cystatin C、β2-microglobulin、transferrinなどを多量に産生していることが明らかになった。 2、髄膜が産生する各種の蛋白は脳虚血や標的摘除により誘導される神経細胞死に付随して、劇的に変動することが免疫組織学的な解析から明確になった。 3、髄膜細胞の主要産生蛋白であるβ-trace proteinの高感度測定系を開発し、髄液中のレベルを測定した。その結果、β-trace protein蛋白レベルが生後発達に伴い変動すること。並びに、レチノイン酸の末梢投与により有意に低下する事が明かとなった。 以上の成績から、脳髄膜が多数の生理活性蛋白質を合成し、髄液中に分泌している事が示唆された。髄膜の機能として神経細胞の生存維持や細胞死に伴い生ずる老廃物の処理過程に重要な役割を演じている可能性が考えられる。
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