研究課題/領域番号 |
08670052
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
高木 都 岡山大学, 医学部, 助教授 (00033358)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 機械的無負荷 / 心筋スライス / 酸素消費 / 筋小胞体 / サプシガルギン |
研究概要 |
機械的無負荷収縮時の心筋酸素消費(Vo_2)を評価する新たな実験方法(ラット心筋スライス実験法)を用いて、無負荷収縮時と非収縮時の心筋のVo_2の構成について検討した。研究の目的は第一にこのシステムによる興奮-収縮(E-C)連関に要する心筋のVo_2、エネルギー消費の構成成分を分析すること、二番目の目的は他の動物種にくらべて高い基礎代謝の原因を探ることである。Wistar系ラット(250-300g)を用いて、心臓を摘出しランゲンドルフ灌流後、左心室から300μmの厚さのスライスを作成した。倒立顕微鏡下、オキシメトリー用のChamber中の酸素濃度を測定した。単位時間当りの酸素濃度低下から酸素消費速度を計測した。まず非刺激時の基礎代謝を計測した後、1Hzの頻度で電気刺激を行い心筋スライスの興奮収縮連関を活性化した。収縮はビデオ画像として録画し、収縮、弛緩でのmotilityを算出した。次に、非刺激時のVo_2(基礎代謝)および刺激時の興奮収縮連関によるVo_2における筋小胞体カルシウムポンプの関与を明らかにする目的で、Thapsigargin(TG)およびcyclopiazonic acid(CPA)の効果を検討した。TG0.1-1μmol/LおよびCPAの10μmol/Lは、各々対照の40%および70%まで興奮-収縮連関に要する心筋のVo_2を減少させた。しかし、基礎代謝のVo_2は減少させなかった。基礎代謝のVo_2には、筋小胞体カルシウムポンプの関与はほとんどないと考えられる。無負荷収縮の大きさは、心筋スライスの表面面積の減少率で評価するとTG1μmol/LおよびCPAの10μmol/Lで著しく低下した。今回のエネルギー学的研究の結果から、ラット心筋の興奮収縮連関のCa^<2+>ハンドリングに筋小胞体のカルシウムポンプが主として関わっていることが示唆された。
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