研究課題/領域番号 |
08670054
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
緒方 宣邦 広島大学, 医学部, 教授 (80091255)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ナトリウムチャネル / 後根神経節 / テトロドトキシン / チャネルコンダクタンス / 膜電位固定法 / パッチクランプ法 |
研究概要 |
ラット後根神経節より単離した神経細胞において、outside-out型膜電位固定法を用い、電位依存性ナトリウムチャネルの性質を調べたところ単位単一電流値(unit amplitude)の違いにより2つのタイプの単一電流が固定された。このどちらの単一電流も細胞膜外側のナトリウムイオンをテトラメチルアンモニウムイオンで置換した溶液では記録されなかった。また、2種類の単一電流はテトロドトキシンに対する感受性が異なっていた。すなわち、振幅の大きい方の電流は1mMのテトロドトキシンにて抑制されるのに対して(これを以下TTX-Sと略す)、小さい方の電流は1mMのテトロドトキシンでも影響を受けなかった(以下TTX-Iと略す)。細胞内ナトリウム濃度1.4mM、細胞外ナトリウム濃度250mMにおいて、-40mVに脱分極させたときの単一電流幅測定値はTTX-Sが1.16pA、TTX-Iが0.57pAであった。各々の電流のコンダクタンスを-30mVにおける傾斜により求めるとTTX-Sは16.3pS、TTX-Iは8.5pSであった。これら2種類の電流の活性化、不活性化レベルには差異がみられた。つまりTTX-Sは-60mV以上の脱分極パルスで活性化されるが、TTX-Iは-40mV以上で活性化された。またプレパルスにより両者の不活性化レベルを比較すると、-50mV以上のプレパルスでは、TTX-Sの方がTTX-Iより不活性化を受けやすいことが示された。単一電流記録より合成したそれぞれのアンサンブル電流は、ホールセル記録で得られた各々の電流の特徴を持っていた。これらのことから、ラット後根神経節細胞における2種類のナトリウムチャネルはテトロドトキシン感受性が異なるだけでなく、単一チャネルコンダクタンスの種類の異なる電流であることが結論された。
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