研究課題/領域番号 |
08670091
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 神戸女子大学 |
研究代表者 |
平田 耕造 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (70110624)
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研究分担者 |
吉田 美奈子 神戸女子大学, 家政学部, 助手 (00299083)
須山 とも子 神戸女子短大, 助手
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 温熱皮膚血管収縮反応 / 局所加温 / 毛細血管 / 動静脈吻合血流 / 体熱量 / 動静脈吻合 / 暑熱血管収縮反応 / 高体熱量 |
研究概要 |
本研究では、上肢の腕部および手部と下肢の足部および下腿部の局所加温を行ったとき、レーザー・ドップラー血流計(LDF)により指の掌側と背側、または指尖部と前腕のいずれか2ヵ所の皮膚血流量測定を行い、末梢血管調節の機序解明を目的とした。座位安静の健康な成人女子20名について、三種類の温熱条件で実験を行った。実験1:室温24.0〜26.5℃で、手部と前腕部を水循環温度刺激モジュール上に置き皮膚温を一定にした状態で、足部を水槽に入れ水温37〜40℃の範囲で足部加温を行った。実験2:室温25℃下で水温28℃から41℃まで毎分0.35℃の速度で上昇、その後41℃を終了まで維持、実験3:室温28℃下で水温35℃から41℃まで実験2と同一速度で上昇、その後41℃を終了まで維持した。その結果、1)実験1では足部を37℃から40℃に加温した結果、指掌側皮膚血流量は水温38℃をこえると有意な低下を示したが、指背側では観察されなかった。2)実験2では下肢皮膚温が34.5℃から40℃まで上昇する間、15分間にわたり指尖部皮膚血流量には著しい減少が観察された。しかし、前腕部では皮膚血流量の減少は認められず、増加するのみであった。3)実験3の条件では、実験2で観察された指尖部皮膚血流量の減少は全く認められず、前腕部でも同様に皮膚血流量の減少は記録されなかった。これらの結果から、足部のみ、または下腿までの下肢温浴による局所加温時に指皮膚血流量の減少が観察されたのは、温熱皮膚血管収縮反応(HIVC:Heat-induced vasoconstriction)と考えられる。本研究では、LDFで測定された指掌側と指尖部の皮膚血流量は、動静脈吻合(AVA)血管の変化が含まれるためHIVC反応が観察された。しかし、指背側と前腕部の皮膚ではAVA血流量の変化は含まれないため、HIVC反応が観察されなかったものと考えられる。このHIVC反応はこれまでの報告とは異なり、指以外の皮膚部位を局所加温した時にも生じることが明らかとなった。すなわち、HIVC反応は局所性反応ではなく、中枢を経由する反射性反応であることが判明した。さらに、HIVC発現には至適温熱条件(または体熱量条件)の存在することが示唆された。
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