研究課題/領域番号 |
08670095
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
田島 文博 産業医科大学, 医学部, 講師 (00227076)
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研究分担者 |
緒方 甫 産業医科大学, 医学部, 教授 (70122843)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | Spinal cord injury / Quadriplegia / Sympathetic nerve / Central command / Static exercise / Rlood pressure / Heart rate / Cate cholamin / Spinalcord injury / Blood pressure |
研究概要 |
運動時の循環調節のメカニズムは不明な点が多い。最も単純な筋緊張を持続させる静的運動時の血圧上昇は筋交感神経活動の上昇が重要な要素であることが報告されている。しかし、その血圧上昇が、延髄の循環調節中枢を介したメカニズムであるか、または脊髄レベルでの反射性の調節であるかは不明である。このメカニズムの一端を明らかにする目的で、延髄から交感神経節の連絡が傷害された頚髄損傷完全四肢麻痺者7名と健常者7名を対象に、静的運動時の血圧と心拍数の変化を観察した。被験者は2分間の安静臥位の後、肘関節屈曲筋群の最大収縮筋力の35%で2分問等尺性持続収縮を行った。その結果、平均血圧は健常者において101.0±4.2から117.0±4.9mmHg(平均±SD)へ、頚損者では74.7±2.2mmHgから81.9±4.1mmHgへ有意に(P<0.05)上昇した。しかし、心拍数は健常者で、68.7±3.8から76.0±3.1beats/minへ有意に(P<0.05)上昇したが、頚損者では運動による有意な変化は認めなかった。ノルエピネフリンとエピネフリンは健常者において有意な上昇(P<0.05)を認めたが、頚損者は上昇しなかった。以上の結果より、静的運動による心拍数上昇は延髄を介する調節系が主な役割を担っていることが判明した。一方、頚損者の心拍数が不変な状態での血圧上昇は、静的運動時の血圧上昇が主に、カテコールアミンの上昇が少ない末梢血管の収縮による事を示している。また、そのメカニズムとして、運動筋内の受容器からの情報が、脊髄レベルで反射性に末梢血管の収縮をもたらす経路の存在が結論された。以上のように、本研究はおおむね目的を達成する成果を得られた。
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