研究課題/領域番号 |
08670107
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
岡村 富夫 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (70152337)
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研究分担者 |
安屋敷 和秀 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (10167968)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | カルシウム拮抗薬 / EDRF / 一酸化窒素 / NO作動性神経 / フルナリジン / カルシウム・カルモデュリン依存性プロテインキナーゼII / サイクリックGMP / ノルアドレナリン / 一酸化窒素(NO) / 血管内皮由来弛緩因子(EDRF) / 血管緊張性調節 / 血管平滑筋 / 脳動脈 |
研究概要 |
摘出イヌ動脈標本を用いて、血管平滑筋を直接収縮する物質(プロスタグランジンF2α)、EDRF遊離薬(サブスタンスP)、支配神経刺激による張力変化などを測定し、それらに対する種々のカルシウム拮抗薬の影響を検討した。プロスタグランジンF2αによる収縮はL型カルシウムチャネル拮抗薬であるニカルジビン、フルナリジン、AE0047により抑制されたが、N型チャネル拮抗薬であるω-コノトキシンでは抑制されなかった。サブスタンスPによる弛緩はニカルジビン、ω-コノトキン、T型チャネル拮抗薬であるテトラメスリンでは抑制されなかった。神経刺激により脳動脈は弛緩し、腸間膜動脈は収縮した。各々、一酸化窒素(NO)合成酵素阻害薬およびα受容体拮抗薬で消失することから、脳動脈ではNOを、腸間膜動脈ではノルアドレナリンを神経伝達物質とする神経が主としてはたらいている。ニカルジビンおよびテトラメスリンは脳動脈における神経性弛緩には影響を与えないが、ω-コノトキン、フルナリジン、AE0047は同弛緩を抑制した。また、AE0047およびニカルジビンは共に腸間膜動脈における神経性収縮反応を抑制したが、ノルアドレナリン遊離に対してはAE0047は抑制したのに対し、ニカルジビンは抑制しなかった。非選択的カルシウム拮抗薬であるカドミウムは血管内皮、平滑筋ならびに支配神経を介するこれらの反応を全て抑制した。したがって、平滑筋細胞には主としてL型が、神経終末にはN型チャネルが分布し、各々のカルシウム流入を調節していると考えられるのに対し、内皮細胞におけるカルシウム流入機序はL型、N型、T型に選択的な既知の拮抗薬では抑制されないことから特定できなかった。他方、フルナリジンが血管拡張神経機能を抑制したことから、その偏頭痛予防作用に神経由来NOの産生抑制が関与する可能性が示唆された。また、新規のジヒドロピリジン系化合物のなかには、平滑筋に対する直接拡張作用に加えて、交換神経抑制作用をもつものがあった。さらに、神経細胞におけるNO産生に、カルシウム・カルモデュリン依存性プロテインキナーゼIIが関与することが示唆された。
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