研究課題/領域番号 |
08670163
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病体医化学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
杉山 俊博 秋田大学, 医学部, 教授 (00127242)
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研究分担者 |
三浦 直行 秋田大学, 医学部, 助教授 (40165965)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 多分化能 / oval cell / 肝臓始原細胞 / 肝細胞 / 肝細胞転写因子 / LECラット |
研究概要 |
【研究結果】 1.肝臓始原細胞の細胞源としてより頻度の多いLECラットを用いて、目的の細胞を容易にしかも大量に得た。分離したoval cellは、現在まで1年間以上長期細胞培養が可能であり、また凍結保存できた。細胞染色法から、γ-GTP,GST-P,AFP,cytokeratin・18と19は陽性であったが、albuminは陰性であった。肝細胞転写因子のうち、HNF-3βmRNAのみが発現していた。2.このoval cellを無アルブミンラットに移植したところ、移植した細胞は肝細胞に形態学的にも変化し、また免疫組織学的にもアルブミンの産生が認められた。以上の結果、oval cellは、胆管上皮細胞と肝細胞の両方の性質を発現する多分化能を有している細胞であることが判明した。 【考察】 本研究において、われわれはLECラットからoval cellを分離し、その性質を明らかにした。形態学的にoval cellは肝細胞と胆管上皮細胞の両性質を持っていることから、化学発癌剤処理したラットの肝臓に出現するoval cellと同様な細胞であると思われた。しかし、従来報告されたoval cellと相違する点は、培養初期からalbumin合成能がないことや肝細胞転写因子のうちHNF-3βしか発現していないことである。我々が分離したoval cellは1年以上継代培養可能であり、さらに組み替えレトロウィルスの感染やプラスミッドDNAを容易に導入することができる。長期に培養した細胞でも肝臓に移植すれば移植されたoval cellは肝細胞に形質転換できる。これらのことから、我々のoval cellは遺伝子導入のよい運搬細胞であると思われる。
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