研究課題/領域番号 |
08670170
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病体医化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
浜口 道成 名古屋大学, 医学部, 教授 (90135351)
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研究分担者 |
小池 晃彦 名古屋大学, 医学部, 助手 (90262906)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | Srcキナーゼ / チロシンリン酸化 / 浸潤・転移 / カドヘリン / 細胞間接着 / マトリックスメタロプロテイナーゼ / MMP-2 / レドックス |
研究概要 |
(1)がん遺伝子産物の酵素活性として発見されたチロシンキナーゼは、癌化のみならず正常細胞の増殖・分化^<論文1)>、免疫応答^<4-6)>、血小板凝集等多様な生命現象に係わりつつある事が明らかになりつつある。しかしこれら諸現象を制御する生化学的実態は十分解明されていない。我々は、v-Srcキナーゼが細胞の形態・接着を劇的に変化させることに注目し、種々のv-Src変異株と高品位の抗ホスフォチロシン抗体を用いて、細胞形態・接着を制御するチロシンリン酸化蛋白質の解析をすすめてきた。本研究は、チロシンリン酸化を介する細胞の形態・接着の制御機構を生化学的に解明する事にある。実際には、細胞の形態・接着を維持する主要な細胞構造3種の機能制御とc-Srcキナーゼの新規活性化機構にしぼり実験を行った。その結果、(1)重金属、NO等による酸化・還元反応によって、Srcキナーゼが活性化される事を見い出した。さらに、この酸化・還元による活性化はSrcキナーゼのシステイン残基が標的となっている事を示す結果を得た。そこで、Srcキナーゼのシステイン残基10個の各々に点突然変異を導入しつつある。システイン残基の6番から9番については各々システインをアラニンに点突然変異する作業が完了し、そのキナーゼ活性に対する影響を検討しつつある。その結果、8、9番の2重の変異にて、キナーゼ活性が抑制を受ける事を示唆する結果を得た。(2)domonant negative ras(S17Nras)遺伝子を用いてカドヘリン依存性細胞間接着の制御機構を解析した結果,SrcキナーゼのシグナルはRasを介して伝達し、細胞接着の抑制を生じる事を明らかにした。(3)v-SrcキナーゼによるマトリックスメタロプロテイナーゼMMP-2の活性化機構を、同様にS17Nrasを用いて解析した結果、この活性化もRasを介する事を明らかにした。
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