研究課題/領域番号 |
08670172
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病体医化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
垣塚 彰 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80204329)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | マシャド・ジョセフ病 / CAGリピート / ポリグタミン / アポトーシス / 小脳失調 / プルキンエ細胞 / ベータシート |
研究概要 |
我々は、CTGリピートをもつ合成オリゴヌクレオチドをプローブとして、ヒト脳cDNAライブラリーから未報告のCAGリピートを含むクローンを分離し、染色体マッピングと患者DNAに対するPCRから、そのうちのMJD1と名付けた遺伝子がマシャド・ジョセフ病(MJD)の原因遺伝子であることを明らかにした。続いて、延長したCAGリピートから翻訳されるポリグルタミンリピートを細胞に発現させると細胞がアポトーシスに陥ること、マウスの小脳プルキンエ細胞にターゲット発現させると生後4週より顕著な小脳失調を呈すことを明らかにした。このマウスの小脳は非常に萎縮しており正常の8分の1ほどの大きさであり、ターゲットとしたプルキンエ細胞はほとんどみうけられず、分子層、顆粒細胞層にも2次性と考えられる顕著な萎縮を認めた。この状態は小脳萎縮の末期像に極めて似通った状態である。以上の結果は、延長したポリグルタミンリピートそのものが神経細胞死と変性を引き起こすことを示しており、CAG伸長を伴う遺伝性神経変性症の共通の起因物質であることを示唆している。ポリグルタミンは、その構造を予測するとベータシート構造をとると考えられる。このようなベータシート構造をとる別の蛋白質、βA4とPrP^<SC>は、それぞれアルツハイマー病と狂牛病(クロイツフェルト・ヤコブ病:CJD)の原因と考えられており、MJDと同様神経細胞死をその病理像としている。以上のことは、全く関連のない疾患と考えられているアルツハイマー病や狂牛病(CJD)までもがMJDと共通な発症の分子機構を有している可能性を示している。
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