研究課題/領域番号 |
08670191
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小山 徹也 群馬大学, 医学部, 助教授 (50233622)
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研究分担者 |
柏原 賢治 群馬大学, 医学部, 助手 (80242634)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 乳腺 / 異型嚢状小葉 / 前癌病変 / clonality / Lobular neoplasia |
研究概要 |
【目的と方法】 A:浸潤性乳管癌が細乳管の上皮細胞から、非浸潤性乳管癌を経て、浸潤癌に至ることは広く受けいれられているが、その間の病変、特に乳管癌の前癌病変については諸説がある。これまで、異型乳管過形成(ADH)が広く考えられているが、こうした病変とよりlow riskな病変や非浸潤癌や浸潤癌のclonalityや、乳癌のoncogensisに深く関係すると考えられるcyclinD1なのどの増幅や発現を調べ検討することは重要である。我々は乳癌特にlow grade DCISの前癌病変として、新たに、高円柱の細胞よりなる異型嚢胞状小葉(atypical cystic loble;ACL)について注目しており、ACLの頻度やestrogenreceptor(ER)、progesteron receptor(PR)、cyclin D1 の発現などを検討した。B:cyclinD1 knockout mouse では乳腺ではduct は形成されるが、小葉は形成されない。そのため cyclinD1 が小葉由来の腫瘍形成に深く関わっていると考えられる。乳腺の小葉由来の腫瘍(lobular neoplasiaや invasive lobular carcinoma)について、cylinD1 の発現や増幅を検索した。 【結果と考察】 A:ACLは拡張した腺房から成る大きさ1-2mmのTDLUで、上皮は高円柱状で、偽重積した核と好酸性の細胞質を有し、筋上皮はまれに見られるものである。1)ACLはアメリカLow Grade DCISの36%、lobular carcinomaの29%、fibrocystic diseaseの3%に合併した。2)ACLはER、PgR、cyclinD1それぞれ陽性であり、その性格はApocrine metaplasia(ER【tautomer】、PgR【tautomer】、cyclinD1【tautomer】)、Blunt duct adenosis(ER【symmetry】、PgR【symmetry】、cyclinD1【tautomer】)よりはLow Grade DCIS(ER【symmetry】、PgR【symmetry】、cyclinD1【symmetry】)に近い。 3)しばしはmacropapillary DCISの辺縁にACLが存在する。以上はACLの前癌的性格への示唆を与えている。 B:小葉由来の腫瘍及び腫瘍様病変のcyclinD1の発現に関しては、浸潤性小葉癌では80%程度認められたが、、DNAの増幅は検索した全てに認められなかった。発現は細胞増殖とは直接関係せず、一方非浸潤成分に関しては、基底側(間質側)にのみ発現が認められた。cyclin D1発現と間質とのinteractionが示唆され、また非浸潤癌から浸潤癌へのprogressionへのcyclinD1は発現の関与が示唆された。
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