研究課題/領域番号 |
08670199
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
川生 明 山梨医科大学, 医学部, 教授 (30059224)
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研究分担者 |
横山 章 山梨医科大学, 医学部, 助手 (30273056)
逸見 明博 山梨医科大学, 医学部, 助手 (40173562)
加藤 良平 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (30152755)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | アポトーシス / 甲状腺 / TSH / 骨髄細細 / 骨髄細胞 / IL-3 |
研究概要 |
組織・細胞標本を対象とするDNA断片化の検出法として既に開発されているDNAポリメラーゼ法とTDT法について改良を加えながら、最適の反応条件を検討し、その方法により各種のヒト甲状腺疾患と各種実験条件下のラット甲状腺組織を対象としてアポトーシスの検出を試みた結果、染色陽性の細胞は一般的に少なく、他臓器に比較して甲状腺では通常アポトーシスが誘導されにくいことが推測された。 通常のmonolayer cultureではTSH非添加を含む培養液組成の変化によってFRTL-5細胞にapoptosisを誘導することは極めて困難であること、即ちapooptosis抵抗性であることを確認した。 FRTL-5細胞にapoptosisを誘導する方法を探る目的で、一つの試みとして培養形態をmonolayer cultureから"suspension culture"に変えてみた。これは通常のmonolayer cultureをTSH非添加で一定時間行い、細胞をトリプシンを用いて剥離した後、TSH添加無血清培地内で浮遊させる方法である。この場合、細胞は完全な浮遊状態ではなく、球形化した細胞が細胞間あるいは培養容器底と接触を保っている。しかしmonolayer cultureの細胞形態とは全く異なっている。 この"suspension culture"のFRTL-5細胞にTSH非添加することにより高率かつ容易に典型的なapoptosisを誘導することに成功した。このapoptosisは細胞間あるいは細胞・基質間の接着の破綻detachmentから始まる。すなわち完全な浮遊化が起こる。しかし細胞の一部でも接着が確保されている限り、容易にapoptosisには陥らない。このような培養形態で、TSHの添加は細胞間接着分子cadherinおよび細胞・基質間接着分子integrinの発現をup-regulateし、さらにそのligand(fibronectin)の発現もup-regulateすることが判った。 TSHはこれら接着分子やリガンドの発現をup-regulateすることによって"suspension culture"のFRTL-5細胞のapoptosisを回避せしめると推測された。
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