研究課題/領域番号 |
08670201
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山邊 博彦 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00135592)
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研究分担者 |
豊国 伸哉 京都大学, 医学研究科, 講師 (90252460)
田中 紘一 京都大学, 医学研究科, 教授 (80179738)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 生体部分肝移植 / 病理組織学 / 免疫組織化学 / In situ hybridization / 慢性拒絶反応 / 慢性肝管炎 / 慢性肝炎 / 慢性肝機能障害 |
研究概要 |
目的:生体部分肝移植は小児の非可逆性肝疾患末期の肝不全症の唯一の治療法として定着してきている。その移植不成功の最大の原因となる移植肝に発生する慢性の進行性肝機能障害を臨床病理学的に解析した。 方法:1990年6月から1996年5月の6年間に224例(5再移植例を含む)に生体部分肝移植が行われた。このうち移植後2ヵ月以降に進行性肝機能障害を来した33例の生検材料、手術材料、剖検材料について、免疫組織化学、in situ hybridization法を含む病理組織学的検索を行い、臨床病理学的に解析した。 結果及び考察:進行性肝機能障害を示した33例中、21例が移植後64日から5年11カ月の間(中央値174日)に移植不成功(死亡16例、再移植5例)となった。そのうち慢性拒絶反応は7例(死亡4例、再移植3例)にみられた。3例が主として血管性、4例が主として胆管消失性拒絶反応であった。また、上記33例中、慢性胆管炎が15例(うち死亡9例、再移植1例)に見られた。うち7例はABO血液型不適合移植例であり、その2例は抗血液型抗体価が高く、胆管吻合部分に問題がないにも拘わらず胆管炎が発生した。また他の1例はリンパ球クロスマッチ試験陽性例であった。これらのことから胆管炎とhumoral mechanismの関連が注目された。移植後リンパ増殖性疾患は4例(うち1例は胆管炎に、1例は慢性拒絶反応に合併、全例死亡)に見られ、Epstein-Barrウイルスの関与が組織学的に証明された。慢性肝炎・肝硬変は8例(うち死亡1例)に見られ、5例はB型、1例はC型の慢性肝炎、他の2例は原因が不明であった。 結論:生体部分肝移植後の慢性進行性肝機能障害の原因として、慢性拒絶反応、慢性胆管炎、移植後リンパ増殖性疾患及び慢性肝炎・肝硬変が重要であることが判明した。
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